森と人の暮らし方の古代モデル「三富の平地林 千人くず掃き」
日本人は、ある時期、森と人の暮らし方を極めていたと言える。
自然のあふれる日本で、僕たちはどうやって森と暮らして行けばいいんだろう?
そんなあり方を見失ってしまった現代人と違って、古来の日本人は世界的からも注目されるハイレベルな森と人の暮らし方を実践していました。
その一つが、埼玉県所沢市三冨の「平地林」です。
(画像元:http://www.santome.jp/where-what.html)
約300年前、江戸時代の元禄時代に、川越藩主 柳沢吉保によって、短冊状に区画整理された農地は
平地林…クヌギやコナラの落葉樹によって構成され、大量の落ち葉を生み出す。
畑…落ち葉を鋤き込んで肥料にできるように、平地林とセットになっている。
屋敷林…家屋や庭にある森(景観を保ち、風害を防ぐ)
この三つがセットになって区画整理されている。
これは森林の機能を最大限発揮できるよう考えられた形で、三冨地区を上空から見ると、農地が短冊状に区切られているのが分かる。
(画像元 http://www.santome.jp/SantomeAction/OchibaYasai/OchibaYasai.html)
しかし、このハイレベルな循環ができる土地も、化石燃料の登場、高度経済成長期を経て、開発されてしまうところ、管理が難しく放置されてしまうところが出てきました。
文化を残す為に「千人くず掃き」
くず掃きとは「落ち葉掃き」のこと。
使われなくなった高大な平地林を管理する為、地域のみんなで膨大な量の落ち葉を掃きます。
落ち葉を集めやすいように列状に集めた様子です。
さて、落ち葉掃きの熊手の使い方、やってみるとコツがあるんです。
コツは熊手を地面に当てる角度です。
角度によっては、びっくりするほど落ち葉が着いて来ない。
角度によっては、面白いくらい落ち葉が着いて来る。
後は、力を抜くこと。
この角度と、力の抜き加減がコツです。
熊手は地面に置いてそのままにしておくと、落ち葉にまぎれてしまうので、木に立てかけて置くこと。
落ち葉はこのように網の上に集めて…
ぎゅっとしまって
トラックに積みます。
そして堆肥場に持って行きます。
こんなにたくさん!!
画像の奥が、持ってきたばかりの落ち葉。
画像の手前が、堆肥化した落ち葉です。
こんなにたくさんあっても、落ち葉堆肥は地域の農地に鋤き込むだけで、使い切ってしまうそうです。
農地1町歩に、約1トンもの落ち葉が必要だったことを考えると、昔は畑を維持する為に相当な面積の落葉樹林が必要だったことが分かります。
そんな「三冨千人くず掃き」は、一年に一度、この冬の時期に行われます。
ここで森のシンガーソングライター証が、森の歌コンサートをさせていただきました。
(画像元:https://www.shinrinbunka.com/news/other/6139.html)
歌は、森に対する祝福となり、森は歌が好きになる。
人が気持ちを入れてあげると森は元気になるのです。
残すべき文化を守るこの「千人くず掃き」で、歌わせていただき、本当にありがとうございました。
ご参加いただいた皆様、本当にお疲れ様でした!
オマケ。
たき火で美味しい焼き芋をいただきました!!
さて、次回のオススメイベントはこちら。
あなたと森の付き合い方を教える自然体験ライブ!
【東京】1/28(土)「あなただけの箒を作る。ススキの箒で森の歌会」@東京都府中市
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!
【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の暮らし方、生き方を学ぶ「森の歌会」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)