今日の樹木。世界遺産、三保松原のクロマツ達。
「羽衣の松」を知っていますか?
天女が舞い降りて水浴びをしている間に
その美しさに心奪われた男が、松にかけられた羽衣を隠した為
天女は天に帰れず、男と結ばれる。
でもいつか、羽衣は見つかってしまい、天女は天に帰ってしまう
という有名な「羽衣伝説」。
上の画像のマツこそが、天女が羽衣をかけたとされる「羽衣の松」だそうです。
でも実際には、この松は3代目。
クロマツの立ち枯れは深刻で、伝説の松も代替わりをせざるを得ないようです。
さて、「松と海岸」と言えば、日本人には馴染みの深い景色です。
この松と海岸のように、日本古来の信仰と深く結びつき、風景が維持されている地形を「聖性地形」と言います。
この「三保の松原」は、日本の数ある松と海岸の中では抜群の人気を誇ります。
森のシンガーソングライターは、今回初めて足を踏み入れましたが、あまりの絶景に興奮しっぱなしの時間。
そして、ついにこの松原は、世界文化遺産「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」に登録されたのです。
こちらが「神の道」。
樹齢200年以上のクロマツ達を維持する為、踏圧を防ぐ意味で木道が作られています。
このうねるクロマツに圧倒されます。
僕がもっとも目を奪われたのは、クロマツに美しく寄生する着生植物達。
ノキシノブ(シダ植物。シノブと名前が付くも、シノブとは別種)
こちらはおそらくギンゴケ(コケ植物)。巨大な松の樹皮の間を美しく彩る。
そして、こちらがヒトツバ(シダ植物)
こんなにすごいヒトツバまで!
ところで、なぜ海岸にはクロマツが植えられているんでしょう?
それは、塩害に強いからです。
同じマツ科でも、アカマツではなく、海岸はほぼクロマツで占められてます。
アカマツが雌松と呼ばれるのに対し、クロマツは雄松。針葉の力強さで見分けることもあります。
マツ林の間を歩いて行きます。
寝転ぶとこんな景色です。
マツ林の木立の向こうにあるのは?
その先にあるのは?
海です!!
これらのマツ林は、はるか昔から日本の海岸に植えられてきたもので「潮害防備保安林」と言います。
潮風をマツ林が受け止めて、里の田畑が守られるように出来ています。
そして、津波の時も、その勢いを相殺する役割となるのです。
海岸沿いに神社があったのでお参りしてきました。「羽車神社」
その横に、ずいぶん樹齢を重ねたマツが、切り株になって残っていました。
ずいぶん立派なマツだったんだろうな、と不思議に惹かれて画像に収めたのですが、後で調べたらこれこそ
2代目の羽衣の松でした。
その切り株の間には、こんな石が置かれていました。
他にもこんな石碑がありました。「エレーヌの碑」
日本の能を研究し、羽衣伝説の作品を書きながらも、遠くフランスの地で病に倒れ、ついに一度も来日を果たせなかったという、フランスのダンサー「エレーヌ・ジュグラリス」さんの慰霊碑。
いかがだったでしょうか?
さすが、幾人もの俳人が句にも読み、愛されてきた素晴らしい景勝地でしたね。
次は皆さんと行きたいです!
おまけ。
この松原に生えていた素敵な植物たち。
おそらくランタナ(クマツヅラ科)、園芸種です。
海岸を美しく覆うハマゴウ(シソ科)
さて、気になる次の森の歌会は
【群馬】ブナの原生林に癒されたい★8/27(土)「森の歌会~奥利根水源の森」@みなかみ高原
尾瀬にほど近いみなかみ高原です。ご家族で、夏休みのご旅行に森の歌会はいかがでしょうか。
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
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