アラスカ日記、下見編13「ワタリガラスの導き、レコーディング4回目」
なんと、これまでレコーディングしてきた音はボツになってしまいました…!!
僕の録り方が悪く、使えないということでした。
なんと、この一週間の苦労が…。
アラスカの天気を見ても、雨が多くなりもう前半戦の日数もない。
この後からは「Denali Chino Natur Center」でのボランティア活動になるので、しばらくはレコーディングができない。
とにかく一曲でももう一度録ってみようと、小雨の降る中、もう一度カリーリッジトレイルの赤い絨毯を目指します。
アラスカの雨は、今のところ降ったり止んだりを繰り返す。
ずっと雨ということはない。
きっと晴れの隙間があるから、そこで録るしかない。
雨宿りのできないところだから、雨よけのブルーシートも持って行きます。
さあ行くぞ!山道の登りを含め4時間以内で終えられればギリギリ次の予定に間に合う。
途中の山道で、トレッキング中の老夫婦を追い越す。
「I record music in nature.」
「Oh very good!」
そんな会話をしながら、先に頂上まで行かせてもらいました。
天気が悪いからか、思ったより風が強い。
また赤い絨毯のところでセッティング。
赤い絨毯の季節ももうすぐ終わる。
これが最後のチャンスか。
こんな風にセッティングしました。
岩陰に隠れるように、ボーカルとギターのマイクを設置。
自然音を録るH3は、少し離れた場所で、低木の陰に隠れるようにしてみました。
これなら風は低木に遮られて当たらないし、尾根の向こうの川の音も少し入る。
でも僕の演奏場所との距離は10m。
少し遠いかなと思いながら、このセッティングで行けることを祈る。
今度は失敗のないように、各機器のセッティングをこまめに行いながら、何回か歌ってみる。
風に吹かれていることと、時折雨が当たることで、僕の体もどんどん冷えてくる。
演奏も声も、だんだんパワフルさが失われていく。
その時、甲高い声がして、僕の後ろの木から一匹のカラスが飛び立って行った。
ひょっとして、ワタリガラスじゃないのか!
ワタリガラスは、神話の生き物とされていて、アラスカの先住民には、ワタリガラスを祖先とする部族もいる。
星野道夫さんの本でも、紹介されていました。
そのワタリガラスが僕のレコーディングに入ってきた!
僕は一気にテンションが上がって、自分でも素晴らしい演奏をしたと思います。
今回のテイクは、偶然なのか、ワタリガラスが助けてくれたのか、奇跡のワタリガラスの声入りの「ガイアポップ」が録れました。
そのまま体力が限界になり、次の予定のために下山。
トレイルの帰り道で、先程の老夫婦の奥様と出会う。
彼女は小学校の先生をしていて、今はリタイヤして旅行しているらしい。
「あなたの歌を聴いていた。とても良い歌声だった。ワタリガラスが鳴いたね」
ちょうどあの場に居合わせてくれたんだ!
歌まで聴いてもらっていたなんて…。
アラスカ音楽収録前半戦にして、すごいシチュエーションがありました。
このテイクは生かしたい。
ありがとう、ワタリガラス。
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アラスカ日記、下見編14「ついにデナリ国立公園へ①」
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アラスカ日記、下見編12「まだ諦めないぞ。レコーディング3回目」
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