アラスカ日記、下見編⑨「赤い絨毯でレコーディング!」
さて、いよいよ赤い絨毯の場所でレコーディングです。
車はキャンプ場の駐車場に停めて、必要なものだけをザックに詰めます。
それでも荷物はこの量に…
よいしょと担いでさあ、出発!!
山の上まで行くぞー!
片道約1時間半の距離を、足早に歩きます。
山の天気は変わりやすい。
いつ雨が降ってくるか分からない。
とにかく良い環境でいるうちに、またあの赤い絨毯に辿り着かなくては。
ザックの重さは約20kg。
山道に慣れた僕でも、全身の筋肉をフルに使って歩いて行きます。
思えば、僕が森のシンガーソングライターを目指して初めて林業に勤めた頃
チャーンソーや水や油を入れて、背負うと15kgにもなる荷物を背負って、先輩の後に付いて山道を1時間以上もノンストップで登った。
あの時は息が切れて、心臓が破裂しそうなくらい大変だったのに。
今は20kgの荷物を担いで、こんなに早いペースで登れるようになった。
人は成長するんだなーと。
突然、近くの森の中から「パーン!!」という破裂音!!
まさかのハンティング!
そう言えば、ムースの狩猟の季節になっていると聞いた。
慌てて足早にトレイルを歩いて移動する。
これは日本の山なら本来立入禁止だと思うんだけど…
しかも他の登山客も普通に歩いているし!!
とにかく山道を登る!
無心で登る!!
山はお天気が変わりやすい。
晴れているうちにレコーディングを終えなければ…。
それにしても、今日はなんて良い天気!!
昨日は見えなかった、雲の向こうのデナリの山々が見える。
さあ、山頂でセッティングだと思ったら、また近くで銃声!!
これはひょっとして、せっかく登って来たけど今日は音が録れないかもしれない…と思ったら
遠くから男女カップルが歩いて来ました。
なんと銃を持ってる!!
かなりラフな感じでスポーツハンティングといった感じです。
「まさかムースを獲ってたんですか??」
「いやいやまさか、僕たちのはグラウスです」
と言って獲物を見せてくれましたー!!
そうか、アメリカではこんな感じで軽くハンティングをしてるんだな。
ムースの狩猟が解禁に…とか聞いたから
日本の狩猟のシカ撃ちのおじさん達みたいに、総出でシカを追い込んでるのかと思った。
見せてくれたお礼に…と僕はお二人歌って聴かせました。
パイオニアソングと、英語でのカントリーロード。
「グレイト!」
「私はあなたの歌声が好きです」
とお褒めの言葉もいただいたよ!
ありがとう!Ariel&Chris!!
さて、山頂でのセッティングはこんな感じです。
風の影響をなるべく受けないセッティングは難しい。
完全に風の当たらないところに隠れてしまうと、景色も隠れてしまう。
何度もいろんなところを試して、ここにしました。
風が強いので、岩陰に隠れる場所で座り込んで歌います。
ボーカルは、iRig Mic HD 2をiPhoneに接続してレコーディング。
ギターは、ピックアップとマイク(SM57)両方を「iRig Pro DUO」をインターフェースにして、iPadに収録します。
それぞれ、iPhoneとiPadには収録アプリ「Mavis」を使っています。
ハンディレコーダーH3-VRは、自然音を録る為に、3mほど離して設置。
風が当たらないように、マイクには通常の風防のほかに、フェイクファー、僕のカーディガンを上から覆いました。
(今回はリコーシータは使わないよ)
これらのすべての機材を「UltraSync BLUE」で同期させて、レコーディング開始です。
セッティングを終えたので、声を出してみます。
「ガイアポップ」「ぜんぶ良かった」の2曲をそれぞれ2回ずつ収録しました。
アラスカの自然音と言っても、ここでは風の音しかしない。
時折、squellal(という鳥だと教えてもらった)の声が遠くてから聴こえるくらいで
日本ほど狭いところにたくさんの生き物がいる訳じゃないんだなと。
とにかくアラスカは静寂の世界。
だから自然のサウンドというよりは、その空気感を収録しているようなものかもしれない。
赤い大地を這う植物達と
通り抜ける風に
心を込めて歌をうたう。
こういうレコーディングの良いところは、ここまで山道を登ってくることで、歌の為に体をあっためておくことができることだな。
おかげで2〜3回声出しをするくらいでも、声の調子は良いみたい。
もう一つの良いところは、このアラスカが白夜であること。
朝10時に出発して、レコーディングを始めたのが14時。
これが日本の山なら、少なくとも昼過ぎの時点で下山を始めないと日が暮れてしまうのだけど
アラスカは20時くらいまで明るい。
だから下山時刻を気にせずにレコーディングできる。
だけど、思ったより相当体力を使っているみたい。
二曲分しかレコーディングできなかった。
本来であれば少し休んでまた録り直しをするのだけど、気温が低いので歩いているか歌っているかしないとすぐに体が冷えてくる。
録った音を山頂で聴いて精査する余裕なんてない。
とにかく音が録れていることだけ確認して、下山する。
これで第一回目のレコーディングは終了。
何とかこの演奏、使える音が録れていることを祈る。
次の記事はコチラ!
アラスカ日記、下見編⑩「モーテルに泊まってみた!」
前回の記事はコチラ!
アラスカ日記、下見編⑧「赤い絨毯を歩く!」
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この次の旅はカナディアンロッキーに来てください。川や湖野鳥の声など、人間が起こす騒音のない場所に案内しますよ! 我が家に逗留しながら可能です。カルガリーのこーいより
tsuchidaさん!コメントありがとうございます!
それは願っても無い嬉しいお誘いです。
来年夏にお伺いできるかどうか、計画したみたいと思います( ´ ▽ ` )!!