「水干」水と森への概念が変わる@多摩川源流レポ前編。
僕がごろんコンサートを、この森で開催したい、と思う時
それはその森に、伝えるべき意義がある時です。
その森を学ぶことで、その森でコンサートをすることで、どんなことが得られるのか。
そういう意味では、僕が奥多摩でもっともごろんコンサートをしたいと思っていたのは
何を置いても、笠取山の水干です。
そこは、東京都の水源である奥多摩湖より更に奥。
雨が落ちて、多摩川になる最初の一滴の落ちる場所なのです。
日本ではほとんどの森が何らかの人の手が加えられいく中で、奥多摩の森は「水源かん養保安林」として、大切に残されています。
その森が健全に保たれなければ、東京に綺麗な水がやってこない。
その森を開発してしまえば、東京は水害に襲われる。
そういう意味で残されている山を、水源かん養保安林と言います。
僕たちが普段使っている水道の水は、一体どこからやってくるのか。
そして、馴染み深い多摩川の源流はどんなところなのか。
行ってみたら、
そこには息を呑むほど美しい森がありました。
僕たちが使う水が、どんな道を経て、たくさんの生き物に支えられているのか。
それを見てしまったら、あなたの水と森への概念が変わる。
そんな場所、笠取山の水干に、森のシンガーソングライターが行ってきました!
まずスタートとなるのは、作場平口駐車場。
なんとここで標高1310m。
ここまで車で来られるのはありがたい。
けっこうたくさんの車が停められそうな場所だけど、はっきりこんな看板がある。
そうここが人の手によって汚されてしまうと、はっきり東京都の水源に関わる訳です。
さあ、いよいよ水干に向けて出発。
最初にこの標高に広がるのは人工林。
主にカラマツとヒノキで構成されているようです。
しばらく歩いて思うのは、どの木を見ても、どの岩を見ても、苔、地衣類、苔…
とにかくたくさんの苔と地衣類に覆われている。
なんて美しい森なんだろう。
まず、ここの標高の高さは、雲ができるような高さなのです。
かなりの頻度で霧に覆われている場所。
そして、豊富に水を蓄える水源林たる環境が整っているからでしょうか。
溢れんばかりの潤いに満ちています。
雨の多い時期に来てしまったこともありますが
小雨の降る空、苔が含んだ水、空気に混じった水、そしてなんて綺麗で冷たい渓流。
とにかく森と言うより、水に囲まれているような場所。
あまりに幻想的でドキドキします。
こんな風に流れる渓流に沿って登っていきます。
水道局によって、ちゃんとこのような看板が立てられています。
(森と水)
ちょっと森の中に入ってみませんか?
足元から、森の優しさが伝わってくるでしょう。
森の下に、フカフカと足に優しく伝わる土があることが
「森は緑のダム」と言われるもっとも大きな理由となっているのです。
森に降った雨は、地表に茂る草や落ち葉などがクッションとなり優しく土の中を染み込み、少しずつ下の方に移動し「地下水」となります。
地下水はゆっくりと土の中を移動し、やがて渓流に流れ出ます。
この地下水の流れを支えるものが、フカフカした土と、それを育てる森なのです。
ちゃんとこの道を歩く時、水の循環を想像しながら歩けるように、看板が設置してある。
しばらく歩くと、人工林は少なくなり、だんだん雑木林になってきた。
イタヤカエデやハウチワカエデなど、この森に本来生えてくる樹種が多くなっています。
天空に光る、ヤマブドウとサルナシの群生。
この辺りまで来ると、だんだん動物の痕跡が現れる。
これはシカの群れの足跡か。
芯が丸くくり抜かれて、苔むした丸太。
これは人の仕業ではなく、自然の仕業。
褐色腐朽菌は、リグニンという材の赤い部分だけを好んで食べる。
瘤のある木。
この木は瘤があるからこそ、これほど美しく見える。
どうして自然の中では、病気である瘤すら美しく見えるのでしょうか。
古いシナの木も苔に覆われている。
シナの木の瘤から、苔を掻き分けて新しい芽が吹いている。
いよいよ、標高は1700m以上へ。
水干が近くなってきた。
次回、いよいよ水干へ到達!!お楽しみに。
「水干」たくさんの生き物に助けられて出来る@多摩川源流レポ後編。
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
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