日本三大美林の一つ、天然木曽ヒノキの森へ@赤沢自然休養林
日本に美しい森は多々あれど、ここは人の営みが森に寄り添う稀有な森。
心にも目にも、日本でもっとも美しい森。
木曽の天然ヒノキ林は、森のシンガーソングライターの憧れ。
樹木の勉強をしている時に、その名前を聞いて、一度は行ってみたいと思っていた森です。
「ふるさと体験館きそふくしま」の桑村さんのご紹介で今回ついに、足を踏み入れることになりました。
木曽ヒノキは、秋田スギ、青森ヒバとともに日本三大美林のひとつ。
その木曽ヒノキの森をたっぷり味わうことができるのが「赤沢自然休養林」。
森林浴発祥の地と言われ、森林セラピー基地として、誰もが歩きやすいように整備されています。
「どんな人たちがいるのかな」と訪ねていくと、森林セラピー基地の皆さん、
森のシンガーソングライターと、最初から仲良くしてくれました!
そればかりか、
「ぜひごろんコンサートを体験してみよう」
とその時にいらっしゃったお客様やガイドの皆さんを集めて
その場で体験してくださいました。
他の地域でこういうことはあまりない。
森林を使ったアーティストプログラムなんて、すぐに想像が付かないものだし
特に森林施設では、アーティストのプログラムを受け入れること自体がとても難しかったりします。
森林をステータスにしている長野県の皆さんは、森林を使った新しい試みを常に模索しているのかもしれない。
最初のごろんコンサートは、食堂やセンターがある駐車場の木の下でちょっとだけ体験してもらったのですが
その後はガイドさんと数人のお客様と一緒に歩き
なんと木曽ヒノキの森の中で体験してもらえることになりました。
では、実際に赤沢自然休養林を一緒に歩いてみましょう。
僕を森に連れて行って、ごろんコンサート体験の場を作ってくれた名ガイドの田中伸一さん。
この森のほとんどの下層を担う美しい木マルバノキの解説をしてくださっています。
歩きやすいように、そして植生を痛めないように、綺麗なウッドデッキの道が続いています。
このように、ところどころに居心地の良い設計の休憩所。
これがヒノキの天然林です。
均一な大きさに育てられた人工林と違って、大小さまざま高さもさまざまなヒノキが、まるで競いあうように育つ。
ヒノキ以外にも、サワラ、ネズコ、アスナロと言った針葉樹で構成されています。
暑さ寒さに耐えながら、他の植物とも競争しながら、本当に強い木だけが生き残る。
自然の摂理に沿った人の手を必要としない生き方です。
森林鉄道の線路を渡ります。
いよいよ、巨木エリアへ。
ここで、ごろんコンサート体験です。
お客様にもガイドの皆様にも寝転んでいただき、森の歌を聞いていただきました。
木陰のひんやりとした空気。
天高くそびえる巨大なヒノキを、根元から見上げる。
風の音と鳥の声と、人の力の及ばない天然自然の理の世界。
その一番底に背中を付けてじっと過ごすのです。
最高の空間でした。
ウッドチップが巻かれていて、足元がやわらかい上に、森全体から常にヒノキの良い香りが漂っています。
地面には芽生えたばかりのヒノキの芽と、実が落ちています。
こんな風に次から次へと新しい命が芽生え、森は更新されていく。
人の力を借りなくても育つ、こんなに圧倒的な森の姿。
本来の人と森の関係はここにあることを、直に感じられる森でした。
天然木曽ヒノキとは何か?
人工林とは人の手を加えて育成、管理された森。
天然林とは、自然生態の中で育ってきた森です。
天然ヒノキとは、人が植えたものではなく、自然に生え、自然に成長してきたヒノキを、人間が使わせてもらうという、本来の自然と人間の関係を表しているように思います。
木曽は気温が低く、冬は特に寒さが厳しい。
この寒さゆえに、他の地域の約2倍の歳月をかけてヒノキはゆっくりと育っていくそうです。
木曽ヒノキは他のヒノキ材と比べると年輪が細かく、木目も素直で、柔らかいそうです。
そのためくるいが少なく、加工がしやすいとされています。
なぜ、人が植えなくても天然のヒノキばかり生えてくるのか?
こちらのサイトに「木曽ヒノキ林の成立過程」が分かりやすく書かれていたので、ぜひご覧ください。
http://www.rinya.maff.go.jp/chubu/policy/business/sigoto/kiso-hinoki/hinoki01_01.html
木曽の檜林が健在なのは、江戸時代に尾張藩によって『木一本、首一つ』と言われるほど厳しく伐採が禁じられ、明治維新後は国有林となって手厚く保護されてきたためです。
今も昔も、人間は資源を使いすぎている。
江戸時代でさえ、森林資源を使いすぎて、このように制限がかかるほどだったんですね。
そして、驚くべき木曽ヒノキの魅力は下記にも!
木曽檜は加工時には柔らかく、時が経つにつれ強度が増しながら、成分が染み出してすばらしい光沢になります。
伐採後、柱など最終製品となってから、約300年は強度が向上し続け、そして約1000年経った時に伐採時と同じ強度になります。
しかも年輪の幅が詰まっているため寸法の変化がないといわれ、主に土台や柱などに多く使われています。
有名な奈良・法隆寺五重塔は千三百年の風雨に耐え世界最古の木造建築物として堂々とその姿を保ち、伐採後長年にわたって強度を増す『檜』の耐久性の凄さを証明しています。
また、20年に一度の伊勢神宮の式年遷宮(社殿の建替え)には、木曽赤沢の檜が用いられています。
(http://okekazu.jp/kisohinoki/)
こんなヒノキの素晴らしさを堪能し尽す、赤沢自然休養林に行こう。
今回森のシンガーソングライターは「赤沢自然休養林」の皆さんの温かい対応により、繋がりを作ることができました。
天然木曽ヒノキの森でのごろんコンサートが正式に実現したら、ぜひ皆さんも一緒に歩いてみましょう。
赤沢自然休養林の皆さん、ふるさと体験館きそふくしまの桑村さん、どうもありがとうございました!
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
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