電気を通しても森に似合うバンド。森のフィールドレコーディング2日目。

バントメンバー。

↓前回までの森のフィールドレコーディングの様子は下記記事をご覧ください。

限られた時間の中で最高の演奏を。森のフィールドレコーディング1日目前半。福井県大野市。
霧と林内雨。なんという森の姿。森のフィールドレコーディング1日目後半。福井県大野市。

昨日の雨とは打って変わり、今日は晴天の六呂師高原!

朝8時に、スタッフとバンドメンバーが集合しました。
本来、森の一番美しい時間は早朝であり、鳥がもっとも美しく鳴く時間。

森は、昨日の湿り気を残すものの、昨日の水分を存分に体に蓄えて、生き生きと葉を開く。
まさに最高の美しさを見せてくれました。

早朝の晴れた森。

昨日の霧で、まだ湿っている落ち葉。
でも午後にはカラカラに乾いて行きました。さすが5月。
まだ湿った落ち葉。

昨日の霧と雨の夕暮れの森、で録った僕の音に

今日の太陽と鳥と緑の朝の森、で録ったバンドの音を重ねていくわけです。

どんなふうになるのかな。

正反対の森で録った音楽。
昼も夜も、雨も太陽も、風も木々も、あらゆる森の姿が音楽になるといいな。

バンドメンバーには、前々日の練習で

「森の景色になじむように演奏すること」

と言う無茶振りをさせていただいて、今日はその感覚を存分に発揮してアレンジをいただきました。

一人目、パーカッション担当の加藤譲司さん。

カホンからジャンベから、曲に合わせて楽器を持ち替え、演奏していただきました。
パーカッションの加藤さん。

加藤さんは、パーカッショニストでありながら、森林組合に勤めており、毎日林業の最前線で木を伐っています。
まさに今回のレコーディングにはぴったりな人材!

このレコーディング企画が始まった時に、どうしてもパーカッション担当が見つからなくて困っていたところ、年末年始に偶然福井県鯖江市の「かわだ尾花屋」というカフェで、遊びで一緒に演奏をしてくださったのがきっかけで、今回のレコーディングにも参加となりました。

まさに運命。

二人目、キーボード担当の山本道則さん。
山本さん1

電子音が森に似合うのか?と思うかもしれませんが、キーボードから出す音色を、持ち込んだアンプから出して、それをマイク録りをしています。

こうするとアナログ感がちゃんと出てきますし、

何より山本さんの森とのなじむ演奏具合がすごい。

山本道則さんは、鯖江市在住の画家であり、シンガーソングライターでもあります。
http://yamamotomichinori.web.fc2.com/

彼のアトリエに行くと、所狭しと飾られた作品の数々に圧倒されます。

毎日、鯖江のどこまでも広がる平野から、遠くに白山を眺め、宇宙と自分の感覚を研ぎ澄ましながら作品を作り続けています。

だから、彼の弾くキーボードは、電子音なのに森の中で響くとまるで天からの光のように森に馴染んでいきます。

煙草を加えながら、裸足で演奏する山本さん。
森の上から光が差し込んでいて、

まるで神様の演奏のようでした。

山本さん3

山本さん2

山本道則さんが20代の頃にポリドールレコードから出したアルバムは、今では伝説の一枚になっています。
(以下、レコード評価記事より抜粋)

・「水谷公生グループが全面サポートした、アシッド・フォークの隠れた名作!BECKが登場する30年近くも前から、こんな音楽をやっていた天才が日本にもいたのです!今だからこそ聞いてほしい珠玉の作品集、待望の初CD化!」(新星堂社ホームページより)

・「75年にポリドールからリリースされていた、幻のシンガー・ソングライター、山本道則の唯一の作品がCD化。いわゆるニュー・ミュージック系列に入る作品といえますが、そのサウンドはプログレッシヴ・リスナーにアピールする要素を持った叙情的かつファンタジックなもの。アレンジ/演奏は水谷公生と彼のグループが担当しており、ストリングスやインド風パーカッションも交えたドラマティックな音作りで、異国風イメージを見事に支えています。そこはかとなくアシッドな香り漂う歌声と相まってむしろ幻想的なフォーク・ロックとして評価すべき内容に仕上がっています。世界観は全く異なりますが、ある意味佐井好子あたりに近い位置付けも可能な、正に幻の秀作」(マーキー・インコーポレイティド社「World Disque」より)

・「山本道則というシンガー&ソングライターのアルバム『微笑』(75年)が中古レコード店で高値を呼んでいるのは知っていたが、今回の復刻で初めて耳にした。ジャケに写る山本は長髪、髭、民族衣装と、もろに当時のヒッピー風。しかし彼の経歴は不明で解説も付いていない。作曲やアレンジで水谷公生が参加しているのが唯一のヒントか。加藤和彦にも似た優しげな声で、自作曲も自然回帰などをシュールに歌う。ニック・ギャリー等に通じるアシッド・ポップ&フォークな世界にすっかりはまってしまった。彼についての情報を求む」(鳥井賀句氏より)

こんな人に、僕の演奏に加わってもらったってすごいですよね。

三人目、ギター担当の山田友雄くん。山田君1

山本さんと山田君とは、僕はかなり昔から一緒に演奏を共にしてきました。

彼の弾くギターの素晴らしいところは、独特な世界観と美学があることです。
それも、自分の感覚や衝動に裏打ちされた、本能のギターです。

僕の楽曲にも世界観があると思っていますが、彼が僕のとなりで弾くと、そのギターアレンジが僕の世界観を侵食してきます。
食うか食われるかくらいのところまで、二人の世界観のせめぎあいになるのです。

でも彼の演奏のすごいところは、主張をしないところです。
ごく自然に、僕の作品に対して、鋭く力強いギターを入れてきて、世界観を絶妙に作り変える。

センスのない人が同じことをやると、作品を壊してしまうのですが、山田君がやると実にセンスよく僕の楽曲の属性を変えるのです。

それが心地よく、一時期は彼にいろんな音楽に加わってもらいましたが、今回久々に僕の楽曲に参加してもらいました。

今回の僕の楽曲は、僕の世界観というより、森の存在感を大切にしています。

だから、彼の演奏も今回は「その時の森にどう馴染むか」という弾き方をしていただいています。

山田君2

楽曲に切り込んでいくよりも、森に対してどう自分の音を添えるか。

彼もエレキギターから自前のアンプを使って音を出していますが

森にこんなに似合うエレキギターの音を、初めて聴きました。

バンドメンバー、今回3名とも、素晴らしい仕事をしてくれました。

最後にコーラスを入れるべく、直前練習する。
コーラス練習。

バンドの録音を聴きながら、声を重ねていきます。
コーラスレコ。

何とか二日間で乗り切った!

森のフィールドレコーディングはクランクアップとなりました!

クランクアップ!

自然の美しい姿、酸いも甘いも教えてくれた、ハックルベリーの森に感謝です…。
森の姿。

この記事のすばらしい写真を撮ってくれたSさん!
そして、贅沢なお食事の用意で支えてくれたMさん、
サウンドエンジニアの大澤さん、
それから、素晴らしい森の場所を提供いただいた、ノーム自然環境教育事務所の坂本さん、

どうもありがとうございました!!

レコーディングが終わって、めっちゃ脱力…森でくつろぐ。
森でくつろぐ。

証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」

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