アラスカ日記、下見編⑥「アラスカの植物達。トウヒの生命」
「Curry Ridge Trail」へ。
ついに、アラスカの自然の中に入ります!
今回はデナリ州立公園内にあるキャンプ場「K'sugi Ken camp site」から歩いていける絶景ルート「Curry Ridge Trail」に行ってきました!
森のシンガーソングライター、ワクワクです!!
「Curry Ridge Trail」の入り口。
ここからひたすら登っていくよ。
全行程3時間くらいのコースと聞いています。
アラスカにはどんな植物が生えてるんだろう!
どんな動物に出会えるんだろう!
目に付いたものから、草木を紹介していきますね。
まずは、これはたぶんハンノキ。
それから、たぶんニワトコ。
↑北欧の方ではこの花や実を使って、シロップを作ったりするんだよね。
ノコギリソウ。
可愛らしいスギゴケ。
空中に浮かんでいるみたい!ナナカマドの赤い実。
大きなシラカバの木。ダケカンバも所々。
さて、ここまでは日本でもよく見かける草木ですね。
自然に詳しい人はピンと来たと思います。
日本人が、シラカバやダケカンバが生えるくらいの標高での、ナナカマドが実をつけるくらいの季節を思い浮かべたら、アラスカの9月の気候が想像できる。
けっこう寒いよね!!
関東で言うと、ダケカンバが生えるのは標高1200mくらいから。そして、ナナカマドが実をつけるのは秋。
アラスカはそんな時期を迎えています。
ちなみに、地図で言うとこの辺りにいるんですよ。
アラスカでもっともシンボリックな樹木「トウヒ」
さて、アラスカでもっともよく見かける木と言えば、トウヒではないでしょうか。
ここ数日、アンカレッジからずっと北上して来たけど
ほんとにトウヒばかり生えている!!
アラスカの森と言えば、トウヒとシラカバの組み合わせが主なんですね。
だけど、気になっているのはこれ!
正体不明の木が立ち枯れている。
見渡すと、トウヒの間にいくつもの黒い木がそびえている。
黒い木は、よく見ると全部立ち枯れているんです。
幹にはマツノザイセンチュウみたいな穴が空いています(中に虫が入って食べられている)。
日本でマツノザイセンチュウと言えば、アカマツの立ち枯れで有名ですね。
日本でアカマツが枯れるのは、そもそもの寿命だったり、里山に人が立ち入らなくなったせいだったり、人と森の関係に原因があるんだけど、アラスカのこの立ち枯れはなんだろう。
同じマツの種類の木に見えます。
僕の大好きな地衣類、サルオガセが生えてる!!
黒い立ち枯れには、必ずと言っていいほど、湿気の多い土地によく見かけるサルオガセがついています。
僕はこの幻想的に見えるサルオガセが大好きなんですよね。
地面を見てみると、トウヒの細かい落ち葉が模様のように敷き詰められている。
これは、トウヒのマツボックリだ。
あれ、黒い立ち枯れのマツボックリと、トウヒのマツボックリは同じだ!
黒い木は、トウヒの立ち枯れか!!
これは、トウヒの世代交代なんだ。
この土地では木はあまり大きくなれない。
トウヒもまた、こんなにヒョロヒョロのうちに、早くも寿命を迎える。
生命のサイクルが、日本の木よりも早いのかもしれない。
黒い立ち枯れは、生命の尽きたトウヒ。
見渡すと、どこまでも広がる緑の若々しいトウヒの間に、年老いた黒いトウヒがたくさん見える。
生まれたばかりのトウヒ。
若々しいトウヒ。
立ち枯れたトウヒ。
これは、生命の循環の森なんだ。
年老いたトウヒは、やがて倒れて、次の種たちの苗床になる。
倒れるまでトウヒには、これまでの生をねぎらうかのように、サルオガセが幻想的な飾りを付けて祝福しているんだ。
アラスカの森は、そんな循環が目に見えるように、どこまでも同じ景色が続いています。
地球温暖化とトウヒの立枯れ。
現地の人とトウヒの立枯れについて話すことができました。
この立枯れは、命の循環でもあるけれど
実は数年前から始まった現象。
南からアラスカの森をどんどん北上しているそうです。
気候が変わったことで、トウヒの命の循環が終わりを迎えようとしている?
アラスカでは今年の夏は雨がほとんど降らず、気温も30℃を超えたそうで、冬も例年より暖かいそうです。
「ビートル」と呼ばれる虫が越冬して生き残るようになり、トウヒを食い荒らしてしまうそうです。
温暖化が続けば、トウヒの立枯れはもっと北へ向かう。
野生動物最期の楽園と言われる国立公園まで及んでしまうかもしれません。
トウヒの立枯れは山火事も加速させる。
毎年おこる山火事は、いつもなら適度に森の木を焼き払い、ムースが生きるのに必要な森へと変化させる。
湿地帯(スワンプ)の中で立ち枯れているトウヒは、火事に焼かれて枯れているもの。
でも、変化してしまったアラスカの気候の中では、立枯れたトウヒが山火事を必要以上に加速させる。
今年の山火事は、例年類を見ないほどの森を焼き、家が焼かれてしまった人もいる。
立枯れたトウヒは、懸命に生きる命の循環のシンボルでもあり
気候が変わってしまうことで、ここに住めなくなってしまう生き物の最期の姿かもしれない。
足元から生えてくるたくさんのトウヒの子ども達が、元気に育って、命を繋いでくれますように。
そして、僕たち人間が、このトウヒ達を助けるような生き方ができますように。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!
参考記事→(北極異変)害虫も北上、針葉樹狙う。アラスカの半島
次の記事はこちら!
アラスカ日記、下見編⑦「カリーリッジトレイルの生き物達」
前回の記事はこちら!
アラスカ日記、下見編⑤「ハイウェイと山火事」
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