杖立温泉の美しさと蒸気文化。10/24(月)森の旅142日目。
熊本県阿蘇郡小国町にある「杖立温泉」は、ジブリ映画「千と千尋の神隠し」のモデルではないかとも言われる美しい温泉街。
昨夜の足湯カフェから一夜。
早朝のまだ目覚めない杖立温泉の姿を、地域おこし協力隊の山本さんにご案内いただきました。
まず、杖立温泉で切っても切れないものが「蒸気」です。
この街の至る所から、蒸気が噴き出ている。
この蒸気は98℃あるらしく、そんなもの至る所から噴き出ていることが僕には驚きでした。
(でも熱いのは噴出孔付近だけで、1mも噴き出ると手をかざしても大丈夫な温度になっています)
(でも東京にそんなものがあったら、安全管理の為に仰々しい施設ができて、有料設備になってしまうだろうなあ)
ここの人たちはそんな「蒸気」と一緒に暮らし、なんと公共で使える蒸気まで用意されている。
こんな風に台になっていて、蒸籠を置くだけで蒸し料理ができる。
ここの人達は、野菜やあらゆるものを、こうして蒸気を使って調理してしまう。
あまりガスが使わずに済む。
これ、すごくいいなあ。
自然と共に暮らすというのは、ある程度のリスクを文化として許容することにあると思っています。
蒸気が熱くても「阿蘇山の恵みだから、こういうものだ」と。
早朝の温泉街。
こんな風に、雄大な杖立川の両側の、岩の上に展開する街。
杖立温泉の名前の由来は
湯に入りて
病なおれば
すがりてし
杖立ておいて
帰る諸人
という弘法大師の句によるものだそうですが、ざっくり書くと
「足が悪くて療養に来た方が、杖を立てかけ」
「温泉に入ったら、帰りは杖がいらなかった」
というもの。
これは大袈裟ですが、こんな由来が付くほど、古来から人々に愛されてきた由緒ある温泉なのです。
この街のもう一つの特徴が狭い路地を歩くこと。
この街並みは「背戸屋(せどや)」と呼ばれており「建物の背中と隣の入口がくっつきそう」というような意味だったと思う。
この迷宮のような街並みを散歩するのが、とても面白い。
至る所に配管が通っているのも、この街の特徴。
湧いてくる温泉を、この街のあらゆる場所に送っている。
こういうの、スチームパンクみたいでわくわくする。
路地を抜けると、斜面に建つ美しい家達。
ほとんど無料で使える公共の温泉がある!
場所によっては100円とか200円とか。とにかく安い!
これも、この土地ならではの文化。
もう少し背戸屋を進んでみます。
…しかし、本当に狭い!!でも道なんです。
この背戸屋のあちこちには、こうしてお洒落な木枠で、写真が飾られています。
杖立温泉の昔の風景や季節の写真が主で、路地を歩きながら、想いを馳せることができる。
橋の上にはたくさんの絵馬が飾られています。
がまだすばい!熊本!
この絵馬は近くのお店で販売していました。
背戸屋から空を見る。
どこを見ても、どこを見ても、なんて綺麗なんだろう。
僕のように、立ち寄ってみる景色と、ここに住んでから見る景色は違うと、山本さんは言います。
ここに暮らして来た人達、ここでがんばる人達の、思いが重なると、この美しい風景がより愛おしいものになっていくそうです。
住んでみないと見えない風景がある。
この杖立温泉、ぜひ皆さんもまずは立ち寄ってみてください。
そして僕もいつか、ここに住んでみた時の風景を味わってみたい。
そんな風に思った、早朝の杖立温泉でした。
ご案内いただいた山本さん、ありがとうございました!
さて、次回のオススメイベントはこちら。
皆さんとお会いできますように。
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クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
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国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)