【演奏動画あり】震災にも負けない風景を。葉祥明阿蘇高原絵本美術館。10/20(木)森の旅138日目。
あの阿蘇大橋の崩落と、南阿蘇村の震災現場を見ると、ここ一帯はまるで立ち入り禁止になったかのような物々しさがある。
でもその奥に足を踏み入れると、立ち入り禁止でも何でもない、美しい絵本美術館が(通常通り)扉を開けている。
震災後、阿蘇大橋は迂回路となり、本当に大変なのは、お客さんがここに来てくれないこと。
今回、森のシンガーソングライター証は、この美しい葉祥明阿蘇高原絵本美術館に導かれました。
ご案内いただいたのは、人を繋ぐコーディネーターとして活躍するかわはらかずみさんと、絵本作家葉祥明さんの弟であり、絵本美術館館長である葉山祥鼎さん。
葉祥明さんと言えば、熊本県熊本市出身。
2008年にゴマブックスから出版された「星の王子様」の挿絵も手掛け、「白い犬のジェイク」シリーズや、「地雷ではなく花をください」がとても有名な絵本作家です。
館内には、シンプルかつ普遍的で美しい抽象画がたくさん。
でも何より驚いたのは、この風景こそ、僕が森の歌会を開催したいと切望し、葉祥明さんが愛した阿蘇のカルデラに広がる風景。
この絵本美術館の裏には、阿蘇の絶景を使った絵本の世界が再現されているのです。
「僕は地球のどこにいるのかも、忘れてしまった」
というのは、サンテグジュペリの「人間の土地」に出てくる有名なセリフですが、そんな言葉が幾度も出てきてしまうくらい、ここを歩く時のなんと素晴らしいことか。
この庭園は、絵本美術館館長である、葉山祥鼎さんが一人で整備し、景観を保っているというのだからすごい。
くまモンとコラボした「くまモンとブルービーのなかまたち」に出てくるツリーハウスの前で葉山祥鼎さんと。
葉山さんのこの美術館への思いは強く、風景の見え方一つに拘りがある。
「ここに立ってみるとあそこに木が等間隔で植えてあるだろう?あれは、風景に合わない電柱を木で隠したんだ」
こういう木を植える作業さえも、葉山さんがご自分で一本一本行う。
これだけの庭園を保つのはどれだけの労力がかかるんだろう?
葉山さんは、これだけではなく、被災地への支援や、カンボジアの地雷撤去など、様々な問題に取り組んで、駆け回っている。
例えば、「地雷ではなく花をください」の絵本の収益はすべて「難民を助ける会」の地雷対策や障害者等の支援活動のために充てられる。
「震災が起こって、ここに戻ってきた時、唖然とした」
「まるで戦争があって爆撃でもされたように、地面が崩壊したり盛り上がったりしていた」
「俺はもうこれで終わりだと思った。今まで作り上げてきたものが終わったと思った」
葉山さんは風景を前に僕らに語る。
「でも気が付くと、たくさんの人がここにやってきた」
「古くからの友人や知人が、ブルトーザーや重機を持って、がんばってこの道を元に戻してくれた」
「俺が何を言わなくても、支援するよと、たくさんの絵本を買っていってくれた」
「まだまだこれからだけど、ようやくここまで立ち直ったんだ」
震災から6カ月。こんな風に普通に見えるようになるまでたくさんの苦労があったのです。
とある本に出てきたギャングのおじいさんを思い出します。
おじいさんはギャングを引退して仕事もなく暮らしているけど、金にも食べ物にも一切困らない。
なぜかというと、若いころにいろんな人に恩を与えすぎて、歳を取っても困らないんだそうだ。
葉山さんも同じようなものだろうか。
行ってきたことのスケールを考えると、どれだけたくさんの人を助けになってきたんだろう、と思う。
この絵本庭園の「ここは特別は場所」と言う森で、一曲だけ森のシンガーソングライターが歌をうたわせていただきました。
熊本の復興はまだまだこれからです。
僕の今いる関東では、報道もあまりされなくなり、復興ボランティアの人数も足りない状態です。
未だに大きな地震が来る度に、みんな不安な夜を過ごしている中で、僕たちができることはなんでしょう?
実は、今回復興支援として、葉祥明さんの絵本を30冊購入させていただきました。(ずいぶん破格で売っていただいたのです)
こちらは、ココニクル号のクラウドファンデングへのリターンとして発送させていただきます。
ぜひ、この葉祥明さんの他の絵本も購入してあげてください。
様々なメッセージが込められた素晴らしい絵本がたくさんあります。
こちらをご覧ください。
森のシンガーソングライター証の、阿蘇山を舞台にした森の歌会は、まだまだ開催までは遠いけど
今回、少しですが熊本の皆さんの現状も見せていただき、気持ちを伺う機会もあり、繋がりもたくさんできました!
来年には、もっとたくさん熊本のお手伝いをして、現地の皆様を交えた森の歌会を作っていけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!
ご案内いただいた、葉山祥鼎さん、かわはらかずみさん、どうもありがとうございました!
帰りに参拝させていただきました。
崩れ落ちてしまった「阿蘇神社」。
こちらもたくさんの支援が必要です。熊本の皆さん、がまだすばい!
さて、次回のオススメイベントはこちら。
皆さんとお会いできますように。
【箱根】★12/11(日)「心の壊れない生き方がある。自然と人の共生を学ぶハコネエコビレッジで森の歌会」
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。11月~2月は関東で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!
【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)