【演奏動画あり】ここにもあったコンテンツツーリズム。廃校が賑わう理由とは?
コンテンツツーリズムを知っていますか?
コンテンツの舞台である土地を訪れる観光行動の総称である。ここでいうコンテンツには文学や映画、テレビドラマ、あるいは漫画やアニメなどが含まれる。
(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%B3%E3%83%84%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%BA%E3%83%A0)
僕の本拠にしている東京都多摩市にも、ジブリ映画「耳をすませば」のモデル地として、多くの人が訪れており、実は証は「せいせき観光まちづくり会議」に所属して街を盛り上げる一員でもあり、耳をすませばのモデル地巡りのガイドとしても活動しております。
今回、茨城県久慈郡大子町にある、旧上岡小学校という素敵な廃校と、そこに関わる人たちを訪ねて行ったのですが…
やけに観光客が多い。
というか多すぎる。
僕らが滞在してる間にも、ひっきりなしに車が駐車場を出入りし、次々に人がやってきます。
まったくの前情報なしで来たのですが、実はここは
劇場版ガールズ&パンツァーの舞台となったところなんですね。
この夏休みで、ガールズ&パンツァーのイベントがこの旧上岡小で行われ、三日間で1000人近くの観光客が訪れたとか。
すごいですね。
この他にも、この旧上岡小学校は、NHK朝の連続テレビ小説「花子とアン」や「おひさま」のロケにも使われたそうで、かなり有名な廃校なのでした。
そんなことも知らず偶然訪れた森のシンガーソングライターに、快く校内を案内してくださいました。
この懐かしい廊下。
真ん中の白線まで当時のままだそうです。
懐かしい教室!
廊下に防火用バケツ置きの丸が残っているの、わかりますか?
証が子どもの頃の福井県勝山市の小学校にはこういうの、ありました。
そして怒られて廊下に立たされる時は、このバケツを持たされるのですね。。。
こちらはなんと「割れた色付ガラスを使って作った絵」。
ガラスで手を切るかもしれない。
こんな作品、生徒に作らせるということが、もう現代では考えられない。
でも「どうしたら手を切らずにガラスを持てるのか」という体験と学びになるのです。
実はこれ、かなり重要な学びになります。
昔は当たり前にあって、今はないものの一つです。
音楽室。
むき出しになった配線。これも今では見られない光景。
生徒たちの文。「将来の夢」
一年生8名、二年生5名、三年生4名…と数えられるのがわかりますでしょうか。
いかに地域から子どもが減っていったのかがわかります。
この上岡小学校が廃校になったのは、平成13年3月31日。
今から約15年前です。
この校舎の作りを見るとずいぶん昔のことのように思いますが、15年前にはこの学校に生徒が通っていました。
どれだけの早いスピードで、時代が変化して行ったかを実感しました。
廃校となっていた旧上岡小学校を、現在支えているのは、主に地元の卒業生達です。
NHKドラマ「おひさま」の舞台になったことをきっかけに、上岡小学校を管理保全しようという動きが現れ、現在は有志で集まった地元の方々により、掃除や修繕、訪れる観光客への案内や展示が作られています。
「今は俺たちがいるからいいけど、この学校に通っていないもっと下の世代は思い入れはないのではないだろうか」
「俺たちがいなくなったら、この学校を守ろうという人達はいなくなってしまうかもしれない」
心配そうにつぶやく地元の皆さんの声。
体育館に飾ってあるのは、達筆でしたためられた校歌。
なんと特別に、皆さんに校歌を歌っていただきました!
卒業して何年経っても、ちゃんと覚えているものなのです。
歌はそういう力があると思っています。
(おそらく)元職員室にお邪魔しました!
懐かしいあれが置いてあります。
そう、昔のキンコンカンコンは、マイク前で先生が実際に鉄琴を叩いていたんですね。そういえば時々叩き間違えている放送もありましたよね。
先ほどの校歌のお礼に、証のオリジナル曲をお聞かせしました。
暮れ行く校庭を眺めながら、元職員室でお聞かせした、森のシンガーソングライター証の「パイオニアソング」です。
さて、コンテンツツーリズムは、果たしてこの廃校の文化にどんな影響を与えるのでしょうか。
ここ以外にも、ガールズ&パンツァーの舞台となったところはあるようで、地域の人たちはコンテンツツーリズムで訪れる観光客を「ガルパンさん」と呼び、様々なおもてなしをしているそうです。
訪れたガルパンさんは、地域の皆さんの受け入れに感動し、また訪れることも少なくないとか。
きっかけがアニメであれ、ドラマであれ、結果的に地域の方と新しい人たちが繋がっていくのは素晴らしいことだと思います。
東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘でも、「耳すま」ファンと地域の人たちとの繋がりは、新たな展開を見せています。
コンテンツツーリズムの課題は「ブームが過ぎ去った後にどう発展させるか」です。
地域の高齢者に求める生きている繋がり。
若者に求める価値観の多様性。
こういう様々な動きを、一つの廃校の中で見た貴重な時間でした。
旧上岡小学校の皆さま、ありがとうございました!
販売されている限定手ぬぐい、皆さまぜひ買っていってください!
オマケ。
ちゃんと二宮金次郎の像がありました!
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。9月は北陸で、10月は九州で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様など、体験内容や料金も応相談!
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【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)