今日の樹木vol.5「ブナ」森の女王と呼ばれる木。下見レポート「奥利根水源の森」
ブナの原生林を歩くことは、まるで神様と対話しているような時間でした。
奥利根水源の森に、下見に行って来ました!
いよいよ、今月末になりました!
【群馬】ブナの原生林に癒されたい★8/27(土)森の歌会~奥利根水源の森
森のシンガーソングライター証が、一足先に群馬県のみなかみ高原、標高1400mのブナの原生林をレポートいたします。
ブナはその雄大で美しい姿から森の女王と言われます。
(http://www.shinrin-ringyou.com/tree/buna.php)
ブナはとにかく、樹皮の模様が美しい。
白い樹皮に、縞模様のようなうっすらとした色が入る。
これは実は樹皮の模様ではなく、細かい地衣類が付いているから。
他の生き物を住まわせて、自分をデザインしているとはオシャレですよね。
鋸歯(葉のまわりのギザギザ)が、僕は好きです。
尖ってるのではなく、全縁でもなく、柔らかい曲線を描く。
10月には、ブナのドングリができます。タンパク質や脂質が豊富で、これはクマなどの重要な冬篭り前の食料となります。
温帯の森に住むクマにとって、ブナの実の豊凶は死活問題。
森の生命を支える役割を担っていることから、森の女王とも呼ばれているのかもしれません。
だけど、人間にとっては、ブナは「橅」と書く。
「木では無い」という意味です。
狂いやすく腐りやすい、材としての利用が難しいことから、役に立たない木と言う認識だったのです。
この為、大変多くのブナの木が伐採され、代わりに人が利用しやすいスギやヒノキが植えられました。
ブナの原生林が、どうして貴重なのか。
それは、人が、自分の利用できないものを、排除してきたからとも言えます。
あのブナの葉や樹皮の美しさ、その群落の絶景は、昔の人に取っては、生きていく為には不要のものだったのです。
そうして、日本で国や地方自治体も手伝って、次々に伐採されていくブナの原生林に、怒って立ち上がったのが、CWニコルさんです。
彼の国、イギリスでは、ブナの原生林は先祖がすべて伐採してしまい、残っていないのです。
日本に残されたブナの原生林の美しさを見て、ニコルさんは言います。
「どうして、ウェールズの僕の祖先は、この素晴らしいブナの森を、子孫である僕たちに残してくれなかったんだろう?」
「どうして、それを残す為に戦ってくれなかったんだろう?」
そうして、ニコルさんは涙したのです。
イギリスの森林率はわずか10%。
日本の森林率は、世界第2位の67%です。
この森林大国日本で、利用できないことを理由にブナが無くなっていく。
世界がうらやむ日本に残されたブナの原生林、それをこれからも僕たちが大事にしていけるように
音楽で森と人を繋げる森の歌会に行きませんか?
さて、こちらが今回の会場となる「奥利根水源の森」。
やっぱり、里の方と違って相当涼しいです。
必ず上着などの防寒具をご用意ください。
今回は皆さんを二つのコースにご案内します。
まずは「森林浴の道」
山道をゆっくり登って行きます。それほど距離はありません。
年老いたブナの木。
川のせせらぎ。
剥がれた樹皮がなびく美しいダケカンバ。
笹の海の中にそびえるブナ。
こんな場所を、森のシンガーソングライターが、音楽を交えてご案内します。
そして「ブナの森の道」。
こちらは平たんな道に、ものすごく古いブナの森を見ることができます。
ブナのみで形成された純林。
ツルが巻き付いて、まるで一つの生き物のようになったブナ。
枯れたブナに、キツツキが無数の穴を空ける。
カミナリに打たれて、縦に裂けてしまったブナ。
なぜかこの場所にだけある、アスナロの古い古木。
僕のざくざくという足音以外、何も聞こえてこない。
静かで、僕と樹木と風しかいないみたい。
でも、ひそかに動物たちがその痕跡を残している。
獣道のところにシカの足跡。
シカが角を研いだ痕。
この道は、参加者の皆さんが、一人になって歩いてみるプログラムを考えています。お楽しみに。
ブナについて、もう少し語りましょう。
僕たちが見ている照葉樹林帯(クスノキやシイノキが生えてくる森)と、もっと標高の高いところにある針葉樹林帯(カラマツやシラビソなどの高地植生)の間くらいに、まるで移行地帯のようにちょうどブナの森が出来上がるようです。
ブナの森が水源の森である意味とは?
「緑のダム」という言葉を聞いたことがありますか?
人の立ち入らない原生林では特に、長い森の歴史の中で作られてきた、森の土があります。
これは、土の中に、落ち葉、虫などの糞、生き物の死体などの有機物が混ざり合い、粘性のある、適度に隙間の空いた土ができあがるのです。
まるでスポンジのように。
この土に、たくさんの雨が蓄えられます。
山全体で見ると、どれだけの水量のダムとなっているでしょうか。
このダムは、少しずつ少しずつ、水を地下水に流していきます。
広大な利根川の水流は、こうしたブナの原生林のダムから流れてくるのです。
「緑のダム」ブナの原生林を、実際にあなたの目で見てみませんか?
森のシンガーソングライターが、森の歌ライブと共にご案内する「奥利根水源の森」。
お申し込み締切は8/22までです。
ぜひ、お申し込みください。
奥利根水源の森アクセス。
群馬県利根郡みなかみ町藤原 奥利根水源の森
(お車の場合の例)
→東京から関越自動車道で水上ICまで、約120分
→水上ICから奥利根水源の森までは約50分です。
お車の方はこちらの記事もご覧ください。
「奥利根水源の森」への行き方@8/27(土)森の歌会
(電車の場合の例)
→6:44東京駅発(新幹線)→7:33高崎駅着
→7:45高崎駅発(JR上越線)→8:50水上駅着
※水上駅から現地までのアクセスは個人的にご相談します。ご連絡ください(*^^*)。
その他、詳細はコチラ!
【群馬】ブナの原生林に癒されたい★8/27(土)森の歌会~奥利根水源の森
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。8月は栃木、群馬で、9月は北陸で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様など、体験内容や料金も応相談!
【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)
★なぜ森で歌を聴くと良いの?
私達の周りにあふれている音楽の素晴らしさは、実は「場所」や「シチュエーション」に深く関係しているのです。
歌を聴く時、何を見ているのか?
他にどんな音が聞こえるのか?
そして、どんなシチュエーションで、あなたがここにいるのか。
森の歌会では、歌を楽しむということを、自然の中で再提案しています。
カフェやライブハウスもいいけれど、森の中で聴いたらどうでしょう?
森を歩いて来たこと。
森に寝転んでいること。
火を見つめていること。
夜の暗闇の中。
様々なシチュエーションが、あなただけの感性になるのです。
森の中で歌を聴くこと。
その場所でこそ、深く感じられる歌を。
森のシンガーソングライター証の歌をぜひ聴いてみてください。