今日の樹木vol.2 「モミ」 日本の人工林の中にひそかに佇む。
ヒノキの人口林の中にひそかに佇む。
静岡県富士宮市の田貫湖の近く、ヒノキの人工林を歩いている時に見つけました。
人が植えた人工林の中で、一本だけ切られずに残っていました。
ヒノキの人工林。
林床に木漏れ日が当たり、とても気持ちが良いと感じる人工林です。
でも少し間伐の必要があると思われます。下草が少なく、これが間伐不測のせいか、土地柄なのかは分かりません。
その中で、一本だけそびえるモミの木。
この場所の標高は700~800mほど。
モミは、日本の森林ではこのように、山地の比較的温暖な場所にも生え、この辺りでは1000mを超えた辺りからウラジロモミ、1700mを超えた辺りからシラビソと植生が変化していくようです。
分厚く太い針葉を持つモミは、その葉の生成にコストがかかることから、とても成長が遅いです。
このヒノキたちが植えられる遥か前からこの森に自生していたものと考えられます。
分厚く太い針葉は、多少太陽の光が足りなくても物ともしない強さがあります(陰樹と言います)。
その証拠に、ヒノキのおかげで下草が生えない林床で、モミの実生だけが、次々に育って来ています。
もしこのヒノキの森がすべて伐られるか、朽ちてしまった後には、このモミの子ども達がこの森の王者となっていくのでしょうか。
ヒノキを植える前は、ここは古代からモミの木の多い、深い森だったのかもしれませんね。
そして、そのような場所に残念ながら捨てられるたくさんのゴミ。
この辺りの森林整備に関わっているホールアース自然学校の皆さんも、森林作業のほとんどはゴミ拾いになるとおっしゃってました。
モミの基本情報。
マツ科モミ属。
実生は最初は陰樹だが、10年を過ぎると陽樹となり成長が早いとの情報あり。
カヤやイヌガヤと良く似た葉を持つが、先端が2又に分かれて尖ることでモミと見分ける。
マツボックリは上向きに生え、鱗片が一枚一枚風で飛ばされることで、種子散布を行う。
クリスマスツリーに使われるのは、日本ではウラジロモミが多いようです。これは、ウラジロモミが円錐型の綺麗な樹形になることが多いからとか。
ヨーロッパで使われているのはトウヒであることが多いそうです。
モミ材は建材としても使用され、抗菌作用、消臭作用を持つと言われています。
僕は大好きな木の一つです。
皆さんも、森で見かけたら、ご挨拶してみてください。
今日の樹木は「モミ」をご案内しました。
ありがとうございました。
さて、次の森の歌会は
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「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
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本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)