土を掘るだけで樹勢を回復させる庭師!レポ「ごろんコンサート&春の七草摘み@土気ダーチャフィールド」
高田造園設計事務所の高田宏臣さんはすごい!
僕が森のシンガーソングライターの修業時代、造園業から学んだことはとても多く、今でも自然を相手にする仕事で一番おもしろいのは造園業!と思っているくらい。
でも、森林ガイドや林業などの仕事をする内に、僕の中では箱庭の中で人の良いように自然を作り変えるイメージになってしまった造園業。
だけど、この高田さんと出会って
造園業者でなければ気付けない(かもしれない)、すごい森との関わり方だと思った。
いや、正確には多くの造園業者では気付けないかもしれない。
土を掘るだけで樹勢を回復させる。
高田さんは、木などをいじる前にその土地の土を見る。
正確には地形や土、木の生え方などを見て
その土地の状態を読む。
土に染み込み流れていく水が
気の流れが滞っていないか
そうして、ここだと思うところに溝や穴を掘る。
そうすることで、その土地そのものが健康な状態に還る。
通常、いろんな土地では木が枯れてしまったり、笹薮が繁殖してしまったりすると
ただ枯れた木を伐る、笹を刈るだけ。
でもそれだけではまた同じ展開が待っているだけ。
極端な例では、土を掘るだけ(その土地の力を回復させるだけ)で、笹薮は勝手になくなり、樹勢も回復すると言うのだからすごい。
高田さんはその技術を日本のいろんな緑地に求められて、日本全国を飛び回るすごい人。
今回は、そんな高田さんとスタッフの皆さんが作り上げたダーチャフィールドで
「野草を食べる」をテーマにしたごろんコンサートを開催させていただきました!
主催の今井さんと一緒に、別の場所で大量に採ってきた野草(仕込みに1日かかりましたー)
興味津々のイベント前のスタッフの皆さんと。
今回の野草は
ハルジオン、セイタカアワダチソウ、セリ、タネツケバナ、セイヨウカラシナ、フキノトウ、ノゲシ、タンポポ、スイバなど。
お浸しにするとこんなに綺麗!
天ぷらにしても美味しそう!
★野草を食べるとどんないいことがあるの?
(前にも記事に書いていますので、ぜひお読みください!)
春に七草を食べるのはなぜ?レポート「始まりの森で生命をいただく七草の歌@アニマnet森カフェ」
今回は特にフキノトウがいっぱい採れたので、たくさんたくさん天ぷらにして、みんなでお腹いっぱいいただきましたよ。
参加者からは
「美味しい!」
「これは今の体に必要な栄養だと分かる!」
と、嬉しい声が届きましたよ。
さて、もちろん森に寝転ぶごろんコンサートも行いました!
今回は、高田さんがこの森を作っていった時のお話を聞きながら、森のいろんなところに寝転がって、コンサートを楽しんでいただきました。
例えばここは、沢沿いの崖になっていたところ。
高田さんが言うには、この森の要になっているんだそうです。
「ここはこの土地に染み込んだ雨水や気の流れが集まる場所です」
「ここがゴミや土砂で詰まっていたので、それを取り除いたら、少しずつこの森の状態も回復して行きました」
この下にある沢も、遥か昔にせき止められていて、水はコンクリートで作った側溝に流れ込むようになっていました。
高田さん達は、わざわざ沢を掘って流れをこちらに戻したんだそうです。
「水の湧き出る場所、流れる場所を人の都合の良いように変えてしまえば、その後に続く循環も滞ってしまう」
「いろんなものが全部繋がって、自然はできているんだ」
僕のコンサートでは、こんな風に高田さんのお話を交えながら
木に触れて、木の気持ちになって歌を聴いてみたり
森で過ごした時、森と一体になった時に、感じたことなどを話し合ってみたり。
この間にも、森の中では日が照ったり、曇ったり
あったかくなったり、寒くなったり。
いろんな顔をする森を、みんなで感じながら過ごしました。
高田さんの言っていた、地勢を回復させるということ。
実は粘菌に関係があるらしい。
木の一本一本や、水の流れはそれぞれ離れていても
地中の粘菌は、山全体で繋がっている。
そう、そんなミクロの世界の粘菌たちが、もし土地の鍵を握っているのだとしたら
溝を掘って、水通しや気の流れを良くすることも、地中の粘菌の活性化を促すのかもしれない。
木の一本一本でもなく、動物達たちや虫たちでもなく
粘菌の視点から山全体の在るべき姿を考える。
これこそ、土と対話してきた庭師さんや農家さんでないと考え付かなかった、森へのアプローチの仕方ではないかと思ったのです。
土を掘るだけで樹勢を回復させる庭師、高田さん。
高田さんのお話で、ほんとに面白い、価値のある時間になりました!
ご参加いただいた皆さん、主催していただいた今井さん、ご準備いただいた高田造園設計事務所の皆さん、本当にありがとうございました!
次回のごろんコンサートはこちら!今年もまた九州の旅が始まるよ!
【大分】3/11(日)3.11いのちのわ@大分市若草公園 森のシンガーソングライター出演!
【福岡】3/13(火)森に寝転んで癒される!ごろんコンサートピクニック!@築上町メタセの杜
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森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。ごろんコンサートのご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!
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【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で歌を聴くと、分かることがある。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の暮らし方、生き方を学ぶ「ごろんコンサート」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
森の中で感性のアンテナを開く方法や
知識を想像力に変える方法
定住しない生き方から学べる意識の変化など
自然解説や音楽によって、毎日の生活に役立つの森から得られる人の在り方を広めています。
本名 山田証。福井県出身。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)