きっと日本中にこんな森がある。8/11(木)レポート「皮むき間伐と森の歌会」

森の歌会。

人が形を与えてしまった森とは?

例えば、森を切り開いて、宅地にする。

森を切り開いて、畑にする。

森を切り開いて、スギやヒノキの林業を始める。

どれも、大変な労力とたくさんの犠牲を伴うことです。

「森を切り開く」と一口に言っても、その実情はすごい。

森の植生を根っこごと、いやその山ごと削り取るように、ブルトーザーなどで押し流して行きます。

その様は、現場を見たことのある人しか分からないかもしれません。

あるいは、人の手で、一本一本木を切り開いた場合、こちらは規模こそ少なかれ、大変な労力でコツコツと進められます。

何が言いたいのかというと

そこまでして一度人が、森の構成を別のものに変えてしまったら、それはもう簡単には戻らないということです。

アカマツの葉。

それだけ、ものに人が形を与える力というのは、技術と共に凄まじいと感じます。

そして、人はその与えた形に責任を持つ必要があるのです。

今日、皮むき間伐を行った「見晴らしの森」の人工林。
皮むき間伐、山際さんの紙芝居。
材として使う為に植えられたスギやヒノキは、材として使われず、そのまま森に放置されることで、人の役にも立てず、かといって森の生態系にはもはや戻れず、そこで朽ちていくだけです。

この先何百年経って、また人の関わらない生態系が出来上がるまでは。

「北山の森の広場」で、交流+森の歌会を行いました。

少し前に、この「北山の森」の整備を手伝い、森の土から出てくるゴミの多さに辟易していました。
残土にゴミ。

ここは、元々のウメやクワの畑が皆伐された後、放置された森ではないかと思います。

パイオニア種と呼ばれる樹種が、細長く乱立しており、まるで笹藪のようです。
藪のようになったパイオニア種。
その足元には、元々あった巨木達の切り倒された痕がそこここにあります。

そしてどこにいても目に付くゴミ。

放置されているのをいいことに、おそらくどこかの業者がゴミを長年廃棄していたのではないかとの事です。

昔生えていたアカマツの切り株。新たな森を見てどんな風に思うだろう。
アカマツの切り株。

森は悪くないのに、人に様々なことをかき乱されて、途方に暮れている森。

途方に暮れている森。
きっと日本にはこんな森がたくさんある。

ここは、今回の歌会を主催してくださった山際さんご夫妻を始め、森のようちえんの子ども達など、いろんな人が少しずつ、整備を始めています。

今日のイベント、森の歌会は、この森を歌で元気にするのです。

さあ、まずは「見晴らしの森」の皮むき間伐!
皮むき間伐1
皮むき間伐2

「皮むき間伐って何?」という方はこちらのリンクをご覧ください。
きらめ樹間伐に行ってきました!7/31(日)森の旅56日目、静岡県牧之原市

子ども達も元気。

もちろん今回も、寝ころんで森の歌を聴いてみます。
ゴロン、スギ林。
ゴロン、スギ林2

そして「北山の森の広場」で、森の歌会!
森の歌会。
森の歌会2

この荒れた土地で、輝かしく育つアサダ(カバノキ科)に歌を捧げます。
アサダの木。

そして、みんなで森で過ごした感想を詩にしてもらいました。

詩を初めて書く人も、スラスラ出てくる人も様々ですが、みんなとても素敵な言葉を紡いでくださいましたよ。
森の歌会3

なぜ、歌で森が元気になるのでしょうか?

自然界の風景は、どこを見ても美しいですが、普段は気が付かず、通り過ぎることが多いですね。

でも、本当に綺麗な風景を「感動を持って」見た時、その美しさに我々はリスペクトします。

森に寝転んで歌を聴いてみてください。

そこにある草を眺めながら、歌を聴いてみてください。

歌は人の心を動かします。

自然に近いところに、ちょっと動かします。

普段は通り過ぎてしまうたった一本の木でも、そこで歌を聴いたことで、それは「心の動いた特別な木」になるのです。

そうして観るだけで、その森はもう違って見えるかもしれません。

自分と関係のない森ではなく、自分と関わりのある森になるでしょう。

そうして初めて、その森の為に、自分は何をしようか、考えるのではないでしょうか。

それから、音楽はたくさんの人を集めます。

ただ森へ行くよりも、音楽があると聞けば、それだけでより多くの人がその森に集うきっかけになります。

たくさんの人が、特別な思いで集う森は、元気になります。

実際に森林整備を進めるきっかけにもなり、そして人が来ることで、楽しそうにする森の姿もあるのです。

これは、原始の自然ではなく、人が形を与えた自然だからです。

人が形を与えた自然は、人が関わってあげることで、初めて嬉しそうな顔を見せると、僕は思うのです。

さて、次の森の歌会は

【群馬】ブナの原生林に癒されたい★8/27(土)「森の歌会~奥利根水源の森」@みなかみ高原

尾瀬にほど近いみなかみ高原です。森のシンガーソングライターが、森の歌を共にガイドを行います。ご家族で、夏休みのご旅行に森の歌会はいかがでしょうか。

証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」

森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。8月は栃木、群馬で、9月は北陸で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様など、体験内容や料金も応相談!

【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/

【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】

森の中で、歌を聴こう。

「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。

クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。

本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。

2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。

国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。

森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)

森の歌会 vol.19 あの山に登ろう

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