子どもにお話を聞かせる意味とは?レポート「森の歌とおはなし会 」@埼玉県秩父郡みどりの村
須藤慶子さんは「おはなし会」というものを、定期的に子ども達と行っています。
昔話や童話を、子ども達に語って聞かせることです。
「おはなし会」の日になると、近所の子ども達が、須藤さんのお宅に集まります。
「おはなし会」を始める前に、一本のロウソクを付けて、お話が終われば、ロウソクを吹き消します。
まるで、昔の世界にタイムスリップしたような光景でした。
この日は、一本の木の下で、いつもの子ども達が集まりました。
心地良い風が吹いていて、木漏れ日の気持ちの良い日です。
そんな中で「おはなし会」の始まりです。
三人の方が、交互にお話をしてくださいました。
この手腕が本当に見事で
一人目の方は、絵本読み聞かせ。
目で見えるものと、耳で聴くもの。
二人目の方は、お話のみ。
絵はなく、ただお話のみです。
これが見事で、ちゃんと子ども達一人一人を見ながら、話しかけるように、童話を語って聞かせます。
目で見えるものが無くても、言葉だけで子ども達に想像させる。
三人目は、気分を切り替えて「わらべ歌」です。
手を使って楽しい歌で、子ども達の気分をリセットします。
そして、また絵本読み聞かせから、耳で聴く童話と、続いていきます。
このやり方は、洗練されていると感じました。
秩父は芸能文化を大切にする街と聞きます。
今回、この森の歌会を企画してくださった方の家も、人形劇団をしている方です。
こういう芸能文化をする人への理解がとても進んでいる街で、このようなすご技を持った方が、秩父にはたくさんいるのでしょう。
この三方のお話会を見ているだけでも、そのレベルの高さが伺えました。
それにしても、なんと気持ちの良い時間だったことか。
ここから、森のシンガーソングライターのプログラムが始まります。
芝生の広場から、深いヒノキの木立の中へ。
手には木の枝など、森の楽器を持って、行進しながら歩いていきます。
普段は人の立ち入らない深い森の中でも、こういう風に歩けば、怖くない。
それにしても、ヒノキの木立の美しいこと。
枝打ちのしていない枝の形が荒々しく、人の住む世界ではないことを表現しています。
子ども達も、ちょっと怖かったのではないでしょうか。
でも、すべての歌のプログラムが終わった後、木立に光が差し込んで、ずいぶん居心地の良い森になっていました。
ご参加された皆さんも、すごくリラックスして、森に滞在してくださいました。
今回の森のプログラムは、まずは寝転んで聴く「パイオニアソング」に、親子で目隠しをして木に触れるネイチャーゲーム「私の木」、それから「森の宝物探し」も。
さて、いかがだったでしょうか?
今回は、おはなし会+森の歌会。芸能文化の地、秩父ならではの時間となりました。
参加された方も
「あんな気持ちの良い場所で、お話を聞くのは最高!」
「森の中で歌を聴くなんて初めて」
「普段は親子で公園に来ても、森の中までは入っていけない。新たな発見があった」
地元の方でも、意識的に森の中で過ごすことの大切さを感じていただけたのではないでしょうか。
今回、証を秩父に呼んでくださったのは、クオリティの高い人形劇で、日本の伝統文化を伝える人形劇団「にんぎょう畑」の皆さんとご家族です。今回はおはなし会とのコラボでしたが、次回は人形劇とのコラボをしたいですね。
本当にありがとうございました!
さあ、次回の気になる森の歌会は
【山梨】野生のシカとシラカバの地★7/16(土)〜17(日)「森の歌会 清里キャンプ」@北杜市
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を、音楽と共にお届けします。
本名 山田証。東京都多摩市在住。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」