その限界集落が愛されるのは?福井県勝山市小原のよみがえる古民家。

ココニクル号、小原へ。

限界集落に魅せられて、単身移住してきた女性がいる。

「重松あゆみ」さん。

横浜生まれ、横浜育ちの彼女が、福井の中でも奥地である小原に移住してきたのはなぜだろう?

移住と言っても、住まいは勝山市内。
この小原に「天空の畑」と名付けた自然農の畑を借りている。

イノシシやクマやカモシカが出る地域。
農作業の時はクマ除け代わりの音楽を流しながら。

畑へ向かう。

天空の畑の自然農でできたトマト。すごく味が濃くて甘い!
自然農のトマト。

今回は、重松さんに、この小原の魅力と課題について、伺ってみました。

小原 古民家。

小原地区の歴史は古く、集落周辺に点在する中世の旧跡などから1000年を超えると考えられています。人々は山と共生し、暮らしを育んできました。

地区の民家は白山麓地域に共通する大壁造りや腕木などを用いた建築様式で、福井県内には唯一残るもの。急傾斜地の石垣の上に住宅が並びます。

しかし時代の波に押され過疎化が進み、明治期には90世帯約500人が居住して
いたものの、昭和55年には28世帯80人、現在は2世帯2人と人口が減少、高
齢化率も100%という状況です。さらに2006年の豪雪で多くの家屋が損壊す
るなど、長年受け継がれてきた生活文化喪失の危機に瀕していました。

(https://www.kkr.mlit.go.jp/atarashiikoukyou/info/pdf/ohara201111.pdf)

重松さんが福井県勝山市小原に、移住相談に来たのは、真冬の雪深い時でした。

かんじき体験や堅豆腐を作る体験などを通して、地域の方と交流したそうです。

斜面に家が点在し、雪をかぶるその景色に魅せられて、移住を決意したそうです。

「大好きなネパールに似ているな」と思ったそうです。

「日本にもこんな場所があるんだ」と、この景色の中に住んで来た人々に、興味を覚えました。

体験の時にお世話になったおばあちゃん(4年前逝去)と出会いをきっかけに強い想いが芽生えます。

「彼女を通して集落の山の暮らしを知りたいと思ったんです」

重松さんは、単身勝山市に移住します。

小原古民家2

小原古民家3

この手前の家に住んでいた方も逝去され、小原に住む住民は、奥側の家に住むお一人だけになってしまった。
小原古民家4

「いつも畑に出てきているおじいちゃんを、しばらく見ないと思ったら…」

「一人、また一人と訃報が届く度に、やっぱり寂しくなってしまいます」

住む人のいなくなった古民家は、手入れが行き届かず、豪雪などで押しつぶされてしまう。
潰れた家。

ところが、そんな小原で、年間の交流人口はなんと1000人近くいるという。

「小原ECOプロジェクト」は、地区出身者の有志が中心となって立ち上げたもの。

歴史・文化・生活を後世に伝えるべく、地域の再生、自然環境の保護・整備を実施しているそうです。

炭焼き・養蚕・林業体験や登山・動植物・自然観察など、各エコツアーを企画して、人々がふれあい学べる企画を行っているそうです。

吉田先生が初めて小原集落を訪れたのが、プロジェクト発足の3年前。勝山市内にある寺社や町家など歴史的建築物の調査のため各所を回っていた時だった。

山の斜面に石垣を築いて段々状に家が建っていた。福井県内ではあまり見られない特徴的な景観。初めて小原を目にし「福井県内にまだこんな所があったのか」と目を奪われた。

「景観、家屋ともに印象的!斜面に立つ家が土壁で、外側を塗り込んでいて土蔵みたいな造りになっていた。こういう家は福井県内では珍しいんですよ。石川県の白峰とか鳥越など白山麓あたりの家の造りに似ているなって。福井県の家ではあるけれど、白山麓の流れを受け継ぐ家だってことに気付いたんです」。

ところが、当時30数戸あった家屋の中で人が住んでいたのは5戸のみ。ほとんどの家は屋根の軒が折れたり、土壁が剥がれ落ちていて、朽ち果てた空き家ばかり。崩壊寸前の状態だったのだ。

「このままではこの集落はなくなってしまう。集落の景観、そしてここに建つ学術的にも貴重な家を残し、伝えていかなければ」、そんな思いに駆り立てられた。
「小原を出て集落外に住居は移したが自分たちが育った故郷を守りたい」、その思いは地元の人々も同じだった。

吉田先生と地元の森林組合、小原の住民との気持ちが一つになり、ついに立ち上がった。
「すでに集落共同体の機能を失っている小原集落を昔のように再生することは不可能。集落の景観や伝統的な民家を修復して、山村生活体験などのイベント活動に使っていこうじゃないか」。

こうして始まったのが「小原ECOプロジェクト」だった。

(http://www.fukui-ut.ac.jp/passion/entry-82.html)

特に、福井工業大学建築学部教授、吉田先生と学生達が取り組む「古民家再生」が面白い。

毎年、夏休みの期間を使って、学生達がこの小原にやってきます。
ひと夏の間

農村での暮らし
地域との交流
古民家を再生

にチャレンジするのです。

学生達に古民家再生を教える宮大工の棟梁中間さん
修復した古民家を見せていただきました。

ご案内いただきました。

古民家リフォーム。

リフォーム室内1

リフォーム室内2

とても綺麗です。

お部屋に入ると、古い木のいい匂いと、お日様の匂いがしました。

毎年、学生達と一軒一軒修復されていく古民家達。

出来上がった古民家は、今後は農家民宿やイベントに活用される。
すでにたくさんの人が活用しているそうです。

興味深いのは、こちら。
この辺りの古民家には、ほとんど必ず、二階に出入口が付いてる。
二階に入口。
ここは豪雪地帯。一階部分は雪で埋まってしまうので、二階からも出られるよう、東西南北に出入り口があるようです。

こんな風に二階から通路が伸びているところも。
これも、古民家再生で再現したそうです。
image
画像の土壁は、大壁造り(おおかべづくり)と言って、この地方独特のもの。
枝を組んで作った骨組みに、土を殴りつけて作っていきます。

昔の「蔵」と同じような作り方なんだとか。

更に中間さんに、現在修理を手掛けているお堂にご案内いただきました。
修理中のお堂。

なんと、崖の上から巨岩が落下してきて、お堂の一部が破壊されてしまったそうです。
お堂の破壊跡。

落石の衝撃で土台ごと、お堂が斜めに傾いていたそうです。
コンクリートで高さを合わせて修理されている土台。
傾いたお堂。

なぜ巨岩が落ちてきたのでしょうか。

人の住まわなくなった集落では、人が作り上げた森がそのまま放置されています。

人が作り上げた森は、自然の状態に戻るまでに悠久の年月を要する。
それまでには落石や土砂崩れなど様々な災害が起こり得るのです。

少し崩れ始めている巨岩。
木の根や草の根で止まっている。
少し浮いている巨岩。
森は本来こんな風に無数の岩を、たくさんの草木が支えている。

森に畏敬の念を込めて信仰する宗教。ここにも白山神社がありました。
白山神社。

ヤマグリの季節。
たくさんの動物の栄養源。特に冬眠前のクマにはうってつけ。
ヤマグリの季節。
ここでははるか昔から、動植物や自然災害との闘い、共生が行われてきた。

そして人は共生する為の知恵と、信仰を生み出してきた。

少しご案内いただいただけでも、これだけ学べることがある。

年間1000人も訪れるということは、それだけたくさんの人が、ここで体験できることに興味を持っているということ。

この集落が今後、どのような存在になっていくのか。
この集落を愛する皆さんの、今後の取り組みに注目したいと思います。

ご案内いただいた、重松さん、中間さん、どうもありがとうございました。

オマケ。

綺麗な湧き水。
重松さんがいつも野菜を洗うところ。
ここには綺麗な水が当たり前のようにある。
綺麗な湧き水。

証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」

森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。10月は九州で、11月は関東で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!

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【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】

森の中で、歌を聴こう。

「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。

クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。

本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。

2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。

国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。

森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)

森の歌会 vol.19 あの山に登ろう

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