これは財産なんだ。

農地に座って、この伸びてきた草や木を眺めた時、これこそが財産なんだと気付いた。
僕はこの農地で、生態系のことを考えてしまって農業をお金に変えることができなくなり、どうしたら別の方法でお金を生み出せるか考えてきた。いろんな支払いが滞る度に、これではいけないと思い続けてきた。
このお金で構成された社会では、まだまだお金に頼らざるを得なくて、経済性も無く作物を作らない農地は、周りから見れば愚の骨頂で
草を刈らないと、どんどん草刈りが大変になって、労働力がかかるよ、とか
木を伐らないと、どんどん木が大きくなって、いつか伐採する時にはお金がかかるよ、とか
そう言われて、不安になりながらこの場所を守ってきたけど
前から分かっていたはずなのに、なぜか今日、はっきりと気付いた瞬間があった。
この風景こそが、見えるもの全てが財産だ!
蜂や虫が飛び、蜜を吸い
鳥がやってきて生活する。
たくさんの生き物を、この場所が養っている。
草や木は伸びれば伸びるほど、大気中の二酸化炭素を固定して減らし
枝葉はゆっくりと複雑な空気の巡りを作り、気候を穏やかにする。
そしてそれを見る人の心を和ませる。
季節ごとに風景を変えて驚かせる。
「お金はありませんよ」
「この風景こそが財産ですよ」
今なら、そうはっきりと言える。
お金は少しでいい。
この風景が財産だと思える人、僕と一緒に守ってくれる人、募集しています。
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