人がオオカミの代わりになれる。レポート「森の歌会 vol.18 始まりの森で生命をいただく山菜の歌」
河原にはたくさんの種が集まります。
水によっていろんなものが流れ着くからです。
それは、山の土よりも多く
畑の土のように栄養も豊富です。
今回は素晴らしい原風景のもと、野草を知り、野草を食べること。
それを日常に取り入れること。
音楽によって人と自然が繋がること。
そんなイベントを行いました。
あまりの開放感に、大人も子どもに戻って、とにかく楽しい!
まず最初は、森と仲良くなることから。
木に触れて歌を聴く。
今回の野草講師の坂本太郎さん。そして、なんとお客様で来ていただきました、ハーブ王子こと山下智道さん
この二人に案内されるなんてすごい!
多摩川の中州の真ん中まで。原風景のど真ん中で歌を聴く。
採ってきた野草をみんなでおさらい。
今回は、クレソン、カキドオシ、クワの葉、クサフジ、カラスノエンドウ、セイタカアワダチソウ、ニセアカシアの花、ヨモギ、ハルジオン、イタドリ、ハハコグサなど。
次々に揚がる野草の天ぷらに、皆さん舌鼓。
セイタカアワダチソウの天ぷら。成長すると固くなっているので刻んでかき揚げにしています。小さい子もお代わりをするほどの人気。
こちらはおしゃれ!クラッカーにチーズを載せ、オリーブオイルをかける。
そして、生のカキドオシの葉とニセアカシアの花をトッピング。びっくりするほどおいしいです。
坂本さんが用意してくださった、クレソンの肉巻き、アサツキのお浸し、タケノコの煮物。
誰かがいつの間にか作った、石に書かれたメニュー表。
さて、イエローストーン公園のオオカミの話を知っていますか?
絶滅してしまったオオカミ。
それに近い種を、イエローストーン公園の森に離したら
増えすぎたシカなどの動物が減り
樹木が食い荒らされることが減り
健全な森が蘇った結果、下草が発達し
土壌が改善されたおかげで、清流も復活し
結果、ビーバーを始めとしたたくさんの動物が戻ってきた。
日本でも、昔は数万等と言われたシカが、今は数百万等まで膨れ上がっています。
これは天敵がいないことを表しています。
最近ようやく、ジビエ料理として、シカ肉が食卓に上がってくることが多くなったかもしれません。
「人間はシカの天敵になれるのか」
人間が、シカ肉を食べて個体数を減らすことはできるかもしれない。
でもオオカミの代わりになれるでしょうか。
その存在だけで、他の生態系を改善させるような自然の循環の一部に、人間はなれるでしょうか。
その一歩が、野草食だと思っています。
いつでも手に入るようになってしまった野菜と比べて
その季節しか手に入らない野草は、春なら春に「この時期はこれを食べるといい」と差し出してくれているものです。
栽培されたものではない野草は、栄養も豊富です。
こうして、大地から与えられたものをいただくことが
オオカミのように
自分だけではない、他の生き物と共存しながら資源を循環させる、第一歩になると思っています。
人間はオオカミにならなければならない。
だからまず、野草をあなたの食卓に。
森のシンガーソングライター証が、皆さんに書いてもらった詩をその場で歌にしていくパフォーマンスも。
今回もライブに参加してくれた森の妖精蓮音まゆさん。
素晴らしい歌声を披露してくださった大澤典子さん。
カホンで参加してくださった勝川孝さん。
そして何より、子ども達の最高の笑顔。
今回は大変多くの皆さんと、野草の意味を学ぶことができました。
ご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
さて、次回はいよいよ、今回大人気だった野草講師ハーブ王子と森のシンガーソングライターのコラボイベントです。
他にも面白い森の歌会が目白押し!
今シーズン関東最後の森の歌会です。一緒に過ごしましょう!
☆6/4(土) 「ハーブ王子と森の歌会」
歌を作るキャンプをしよう★5/28(土)〜29(日)「森フェス前夜祭ミュージックキャンプライブ!」
この記事に素敵なお写真と取ってくれたのはこの方:AI ASANO