自然体験のメッカ。岐阜県美濃市~郡上八幡へ!キャンピングカーで森の旅373日目。
岐阜県は自然体験のメッカ!!
愛知県や三重県の方が自然体験に来るなら、海なら知多半島の方へ、山や川なら岐阜県に来るのではないでしょうか。
豊富な水量の長良川。まさに川と共に岐阜県は文化を育んできた。
そんな岐阜県美濃市には、僕の母校である
「岐阜県立森林文化アカデミー」があります。
僕が普通のミュージシャンから「森のシンガーソングライターになろう」と決意し、福井県で林業と造園業を学ばせていただきましたが今の「森のガイドをしながら歌う」のスタイルを始めたきっかけは、ここで学んだ「環境教育」でした。
この学校のすごいところは、これまで同じ森林に関わる業界でありながら、意外に接点の少なかった環境教育、林業、建築、木工などの授業が、一つの学校の中で受けられること。
例えば、ミズナラの材を使って木工の授業をする時には、木工の技術だけではない、ミズナラの文化を教える講師や、ミズナラの生態を教える講師も参加して、その繋がりを学ばせてくれることも。
工務店に勤めている設計士でも、環境教育のことも分かる人材。
林業に精通していながら、建築にも詳しい人材。
環境教区の側から作品を作る木工作家など
森林に関わる人材が多角的な面から森と関わって仕事ができるようにと作られた学校。
僕はこの学校で一人「音楽と環境教育をつなぐ!」と言って周りを困らせていたなあ。
僕の作った「ハザコの歌」がまだ環境教育の部屋に飾られている。
ハザコとは、オオサンショウウオのこと。
地域の子ども達とオオサンショウウオを観に行くツアーに授業で関わった時に、子ども達の感想を歌詞にして、その場で「おおシャンゼリゼ」のメロディに合わせて歌にしたもの。
ナバさん、大事に貼っていてくれてありがとうございます!
アカデミーの敷地内には不思議な建物がどんどん増えている。
建築学科の生徒たちは、卒業研究で、自分たちでデザイン設計した建物を実際に自分たちで建ててしまう。
設計士自らが、建築もできるなんてすごいですよね。
副学長である川尻先生の部屋!
なんと、ツキノワグマの手のはく製が!(中は空洞で手にはめられそう)
他にもシカの足やカモシカやイノシシの足などのはく製も。
こうして実際にじっくり見つめると、まったく違う足の作りをしていることが分かる。
カモシカの抜けた角。
シカみたいに根元からぽろっと取れる訳ではなく、人間の爪のように内側に新しい角ができてから、外側がすっぽり抜ける。
アカデミーで作られた椅子。
木製とは思えないくらい軽くてしなやかで丈夫。
なんと、生木から加工して作られている。
つまり材の繊維に沿って引き裂くことで、曲げの力に強くなり、薄くてもかなりの強度を保つ。
この椅子もすごい。
お尻の当たらない縁の部分は固い広葉樹材を。
お尻の当たる部分には温かく感じる針葉樹の材を使っている。
触ってみるだけで温度の違いが分かるほど。
ウッドデザイン賞で入賞したアカデミーの作品。アベマキ学校机プロジェクト。
西日本に多く生えるアベマキは、東日本のクヌギに似ていますが、クヌギのように利用することが難しい。
コルク質の樹皮のせいでシイタケなどの原木にもできず、材としても使いにくいそうです。
そんな風に利用の難しいアベマキを使った学校机を、地元の小学生が作る。
里山を学びつつ、自分で使う机を自分で作るという…。
卒業の時に、そのアベマキ机から作られたボールペンをプレゼントされて中学に上がるという、粋な仕組み!
今、アカデミーでもっとも話題になっているのはコレ。
鵜飼舟を作るプロジェクト!
世界の伝統舟の作り方を学びながら旅する米国のダグラス・ブルックスさん、マーク・バウアーさんが、長良川の鵜飼舟を作る為に、船大工の那須清一さんに弟子入りして森林文化アカデミーで舟を作っている。
鵜飼舟を作る技術は、鵜飼舟の製造にはもっとも原始的な技術が残っているんだそうです。
でも、85歳になる那須清一さんから技術を継承する跡継ぎはいない。
今回はこれを機に、アカデミーの生徒もこの舟作りに携わって学んでいるそうです。。
かなり大きいです。3~4人乗りの鵜飼舟。
使ってる釘も特殊なもので、1本300円もするらしい。
さてもっと北上して郡上市八幡町へ。
僕がアカデミーを出てから最初に勤めさせていただいた
冒険キッズ(元・山と川の学校)にお伺いしました!
郡上八幡はまさに川遊びのメッカで、岐阜県、愛知県、三重県から夏休みだけで何百人もの子ども達が冒険キッズにやってきます。
僕がここで学ばせてもらったことは多い。
ここにいる皆さんは、僕が自然体験を始めた時に学んだ先輩なので、証にとっては頭の上がらない人たちです。
みんなで集合写真を撮りました!
冒険キッズ代表の鈴木照淳さんは、僕がいた時代から僕をぐいぐい引っ張って来てくださった。
家族ぐるみで農と自然の暮らしを実践する、由留木正之さんはカヌーの達人でもあり、川遊びと地域ツーリズムに取り組む。
由留木さん、僕の為に「朴葉飯」を用意してくださいました!
材料はほとんど郡上産!美味しかったです。ご馳走様でした。
お寺の副住職でありながら、冒険キッズの中核を担う、遊べるパンクな坊さん石神真さん。僕の兄貴分です。
お坊さんでもある石神さんに、僕の森の旅でいつも重要なキーワードとして出てくる「托鉢」について、ありがたいお話を伺いました。
エピソードについてはこちらをお読みください。
「森から生き方を学ぶ③人間編 托鉢とクラウドファンディング。」
せっかくなので石神さんに、お気に入りのブッダのエピソードを聞いてみました。
ブッダが修行していると「畑を耕しもしないで何をしているんだ」と批判を受ける。
そんな人達にブッダが言った一言
「我は心を耕すものなり」
素晴らしい。
このエピソード、レオレオニの「フレデリック」を思い出します。
石神さん、ありがとうございました。
そして、僕が関東にいた頃もよくお名前が聞こえてきた、イケメン猟師、猪鹿庁の永吉剛さん。
剛さんとココニクル号、いやココニクル剛!
彼は冒険キッズではありませんが、今回わざわざ僕に会いに来てくれました!
猪鹿庁は、自然体験団体の中でも、狩猟に特化した体験をするという認識でしたが、狩猟だけではない、里山に関する数々の自然体験メニューも幅広い!
でも狩猟学校の「ガンハンティング講座」や「鋳造ナイフマスター講座」などは特に人気で、専門性に特化したイベントも多い。
ほんと、すごい人気らしいです。
そんな皆さんにも、もちろん森のシンガーソングライターの「ごろんコンサート」を体験いただきました。
自然体験の先輩方相手の体験会だったので、かなりドキドキでしたが、良い感想をたくさんいただきました。
「証の伝えたいことと体験が完全にマッチしている」
「これは親子で体験したくなる」
「あの頃から歌と自然体験を合わせたいと言っていたけど、ついに実現したなあ」
そんな嬉しい言葉をいただいて、ちょっと自信をつけさせてもらいました…。
僕が音楽のプログラムを作ってきた数年。
郡上八幡の皆さんは、この場所で何年もいろんな体験を提供し続けて来た。
そんな重みが前よりも感じられて、ここには本当にすごい人たちがいるなあと、改めて実感しました。
いつか僕のプログラムも交えて、冒険キッズや猪鹿庁の皆さんとも面白い体験を作って行けたらと思います。
今回は久しぶりに楽しい邂逅となりました!ありがとうございました!
さて、次回のオススメイベントはこちら。
あなたと森の付き合い方を教える自然体験ライブ!
【愛知】6/24(土)寝ころびながら森の不思議を知る うたたねコンサート@長久手市
6月は岐阜県、長野県、愛知県で「団体様向けゴロンコンサート」や「個人向けプログラム」を受け付けております。
内容、料金は臨機応変に対応いたします。
詳しくはこちらをご覧ください。
「森のシンガーソングライターに依頼してみると…」
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!
【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の暮らし方、生き方を学ぶ「ごろんコンサート」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)