コンサートが森に行く理由になるように。レポート「うたたねコンサート@長久手市」
現代では、理由がないと人は森に足を運びにくい。
でも、一度足を踏み入れたら、自分にとって森の風景が必要なことがきっと分かる。
【愛知】寝ころびながら森の不思議を知る うたたねコンサート@長久手市にご参加いただき、ありがとうございました!
梅雨の長雨が始まる前の最後の晴天!!
そう、ちょうど示し合わせるかのように、次の日から雨続きの愛知県。
その最後の晴れ間を楽しめるように、神様が采配をしてくださったこの日。
今回は初めての愛知県でのごろんコンサート。
なかなか繋がりのない土地での自主企画は難しい。
それでも、この日集まってくれた皆さんと、森を楽しむことができました。
愛知県、岐阜県、福井県から集まってくれた皆さん。
僕と繋がりのある皆さんが、こうして集まってくれたことに感謝です。
さて、今回の森はとても有名な、整備された公園です。
とても多くの人が訪れ、楽しんで行きます。
ただ僕らが歩いたこの森までは、なかなか人が訪れないみたい。
みんな、芝生の庭や、アトラクションや、もっと近くて分かりやすいところで満足して帰ってしまう。
ここにあるフモトミズナラの下に、こうして寝転がってみることはしない。
集まってくれた皆さんも、この公園に来たことはあっても、この森まで来たことがある人はいませんでした。
ごろんコンサートをしている時も、自然観察会をしている時も、日本中の森で思うこと。
みんな、森の楽しみ方を知らない。
ここに来て、こんな風にみんなで森に寝転がってみるだけで、アトラクションより面白いことがある。
大人も子どもも、ちゃんとした指導者が森へ導けば、飽きることなく一本の木と遊ぶことができる。
この地方になぜか群生する謎の樹木フモトミズナラとは何か?
火であぶると膨らんで破裂するソヨゴの葉。
そんなことを解説しながら、森を歩きます。
秋になると美味しい実を付けるワイルドブルーベリーことシャシャンボ。
この季節に不思議な綿のような衣を付けて潜むアオバハゴロモ。
自然観察は面白い。
一度興味を持てば、みんなずっといろんなことを語り合いながら進んでいく。
そして、寝転がって歌を聴いてみる。
この時期は虫や日差しが気になる。
自分で、日影になる場所、そして風通しの良い場所を選ぶ。
寝転ぶとそれまでとはまったく違う森の姿が見える。
人の視点から、草の視点になる。
そうして1本の草になった気持ちで、コンサートを聴いてみる。
そうして、それぞれが見た森の姿をみんなで話し合ってみる。
今回のおやつは、名古屋名物の納屋橋饅頭と、証特製の野草茶です。
「森に寝転がったのは初めて」
「歌がすごく心地よかった」
「これは面白い体験だった」
いろんな言葉をいただきました。
この日はあまり暑くもなく、風も吹いていて、心地よい森のひと時。
こうして寝転がった後にみんなでお茶を飲みながら、体験を語り合うのが、僕には好きな時間です。
皆さんはいかがだったでしょうか。
さて、その後はゲストとして来ていただいた、名古屋のインパクト唄芸人「しげちぃ」さんです。
彼は普段、ライブハウスなどで活躍するアーティスト。
自らの体験したアトラクションを歌で再現するのが、彼の歌です。
バンジージャンプやスカイダイビング。
彼の体験を聴きながら、面白い歌を聴きます。
僕とはまったく違った趣向なので、これがまたいい。
そして、彼は驚くべきことに「今回の体験」すら、自分のレパートリーに加えてしまいました。
どうしたかというと…
アーティストだけ寝転んで歌う。
寝転んでグダグダになって歌うアーティストの周りを、立ったまま取り囲んでお客さんが歌を聴く。
これまでの体験を逆手にとったファイン芸。
いやー、ごろんコンサート史上初めてのネタです。
かなり面白かったですよ。
こんな風に、普段はライブハウスで活躍するアーティストが、森の中に入った時、どんな演奏をするのかを見るのは楽しい。
アーティストの演奏は「場所」とちゃんとコラボしたい。
ライブハウスはライブハウスのやり方が、森には森に似合うやり方がある。
自分の表現が、ライブハウスでやっても森でやっても変わらなければ、それは場所と関係なく自分を表現しているだけになってしまう。
どんなお客さんが聞いているのか、どんなシチュエーションでそこにいるのか、森の中でどんな風に演奏したらいいのか。
そういうことをアーティストに考えてもらうことも、ごろんコンサートの醍醐味なんですね。
「お客さんは、森の中で、自分がどんな風に感じるかを発見する」
「アーティストが森の中でどんな風に表現するかを考える」
こうしてみんなが「森」というものと「自分」について考える機会を作る。
これがごろんコンサートなんだと、僕は思っています。
今回は、初めてのシチュエーションにも関わらず、ライブハウスを飛び出して僕に付き合ってくれたしげちぃさん、そして素敵な反応と言葉で場を仕切って和ませてくれた司会のMegさんに、本当に感謝したいと思います。
そして、どんなコンサートかも分からないのに、遠方から来てくださった参加者の皆さん
どうもありがとうございました!
次回はもっといろんな要素を詰め込んで、楽しいごろんコンサートを企画しますので、ぜひまた来てくださいね。
さて、次回のオススメイベントはこちら。
あなたと森の付き合い方を教える自然体験ライブ!
【福井】7/17(月祝)暮れていく悠久の森 ナイトウォークツアー@平泉寺白山神社
7~8月は静岡県、山梨県で「団体様向けゴロンコンサート」や「個人向けプログラム」を受け付けております。
内容、料金は臨機応変に対応いたします。
詳しくはこちらをご覧ください。
「森のシンガーソングライターに依頼してみると…」
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!
【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の暮らし方、生き方を学ぶ「ごろんコンサート」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)