森から生き方を学ぶ② 動物編〜自然はとても長い時間をかける。

こちらの記事を読む方は、ぜひ前回「森から生き方を学ぶ①植物編〜今、起こっている事が本当。」の記事からお読みください。

こんにちは。
森のシンガーソングライター証です。

この記事では、自然の生き物達がどんな風に生きているのかを学び、そこから人の生き方を考えてみたいと思います。

と言っても、人が自然界から受け取れるものはもっと幅広い。

ここで言っている事は、僕個人の考え方、生き方としてお読みください。

前回「森から生き方を学ぶ①植物編〜今、起こっている事が本当。」の記事にて、皆様にお伝えしたことは

森は起こったこと全部を表している。

森にも実は様々な摩擦があり、ネガティブな要素も現している。

それでも森は、総合的に美しく見える。

何かを変えるのではなく、自分を俯瞰して観察する。

と言うことでした。

とは言え、僕達は人間なので、ああなったらいいのに、こんな生活がしたい、と思ってしまう。

動物だから、どこか別の場所へ行くこともできる。

では自然の生き方を参考にして、人間が「自分に起こる物事を変えたい」と思った時にどうするのか、書いてみましょう。

林内雨1

僕達が積み上げてきたこの形。

森にある全ての形。

葉っぱの形、樹皮の形、落ち葉の積み重ね、岩の形、川の流れは

気象や地形や様々な因果関係が長い時間をかけて積み上げてきた形。

人間に起こることも同じ。

顔、性格、人間関係、仕事、それらはこれまでの人生の因果関係で積み重なってきたことと言えるでしょう。

さて、何かを変えたいと思う時に、それが森の地形だったらどうでしょうか。

僕は日本中の森を旅して来ました。

その多くの森で、自然界が積み重ねて来たものを無視して「人が利用しやすいもの」に変えてしまった現場を見て来ました。

ここに階段を作ったらみんなが利用しやすい。
ここに川があれば、みんなが遊べる。

そうやって出来上がった公園がたくさんある。

無理に変えてはいけないことがある。

その森で起こっていることは、そこから始まるいろんなことと繋がっている。

本来、山から湧き出てくる水の通り道を塞いで、コンクリートで固めた川を作ってしまえば、水は不自然な場所で堰き止められ、役割を持って住んでいた生き物も住めなくなる。

森を削って車が通れる道を作ってしまえば、そこから森の土がどんどん流れ出し、人は崩れてくる山を常に補修し続けることになる。

もちろん、コンクリートで固めてしまえば、その場では良いけど、何十年も後で不具合が出て来る。

最近、シカやイノシシ、サルが増えてきて、森の生態系のバランスが崩れていると言われている。

シカ

この問題でさえ、猟師によってシカやイノシシの頭数を減らせば解決するものではない。

シカやイノシシが増えてきた背景には、そこに至る因果関係がある。

森に竹林が増えて来て困ることがある。
でも、竹を駆除してもまた生えてくる。

竹林がそこにあることにも、ちゃんとした自然界の意味がある。

シカもイノシシも竹林も、本来悪いものではない。

ただ目先のことを、人が利用しやすいように「変えたい」と思ってしまうだけ。

人間の場合はどうだろうか。

あなたがそこに至るまでに起こったことは

あなたが必要に応じて選択して来たことで

その積み重ねが、あなたの形を作っている。

それを早急に作り変えようとすれば、やっぱり様々な因果関係に影響し、不具合が起こり続ける。

まずは観察してみる。

良いことも悪いことも自然現象を観察するように。

自分がどのような形をしていて、どのような経緯でそこまで辿り着き、今は何が起こっているのか。

動物は、そこに大きな手を加えることはしない。
生きるためのことを行うけど、今ある自分の姿も、森の地形も否定したりはしない。

今あるものを使って、ちゃんと生きて行く。

そしてあなたが「何かを変えたい」なら

草原

長い時間をかけること。

自然界と同じように、ゆっくりとした時間をかけること。

自然界には、物事に応じたスピードがある。

それぞれの理に即した速さがある。

長い年月をかけて積み上がって来たものは、長い年月をかけて崩れていく。

早いスピードで積み上げたものは、早いスピードで崩れていく。

淀んだ川も、長いスパンで見ると、然るべき時に流れるようになり、流れているものもある段階で淀む。

そういうものを、人間は早急に工事して直そうと思ってしまう。

ゆっくりと時間をかけて自分を観察すること。

急がない。

自分に起こっていることを俯瞰する。

そしてある日、何かの要素で川が押し流されるように

「ここだな」と思う時に、自然に自分が変わる時が来る。

それは状況や環境によって押し出されるように起こる。

だから自分に起こっていることを「すぐ何とかしよう」と思い過ぎない方がいい。

良くも悪くも、作られて来た自分の地形を、大事にして、ゆっくりと形を変えて行く。

良いことも悪いことも起こっていることは、これまで積み重ねて来た愛すべきあなたの形。

長い時間をかけること。

変化は劇的なものを期待しないこと。

これが一番「かなめ」となる意識。

自分自身を変えたいと思ったり、自分以外のことに手を加えるなら、ほんの一つの石を、水流から取り出すくらいのささいな変化がいいと思います。

でも、動かすなら自分の直感に従った、ささやかで確固たる一手を。

その一手にはっきりとした意思が込められることが、人に与えられた力だと思います。

そして、物事は何十年もかけて、ゆっくりと変わっていくんだということを覚悟する。

最後に「覚悟を持つ」とは?

覚悟を持つとは、いろんな選択の場面で自分の決断したことをその点にちゃんと落とし込むこと。

僕はこの話をする時に、あばら家に住む人の話をします。

高級マンションに住んでいた人が、いきなりあばら家で暮らせと言われたら、戸惑ってしまう。

壁が薄い、古い、ネズミも出る。
あばら家のいろんなことに不満を言うことになる。

でも、もし自分があばら家に暮らすことを覚悟し、受け入れたら…?

古い時代の装飾の残る、とても美しい家だと気付く。

僕達のネガティヴな問題は、ほとんど「自分が本来いるポジションと、今のポジションは違う」という意識から生まれるのかもしれない。

でも、その場所にいることの覚悟を決めたら、どこだって住めるし、どんな風にだって生きられる。

意識の柔軟さは俯瞰に役立ち、物事に反映させる時は、意識を覚悟を持ってそこに定める。

さあ、いよいよこれからの記事は、この言葉を幾つかに分けて書いてみます。

まずは次回「森から生き方を学ぶ③人間編 托鉢とクラウドファンディング。

うまく書けるか分かりませんが、興味のある方は、次回もお読みください。

ありがとうございました。

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【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】

森の中で、歌を聴こう。

「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の暮らし方、生き方を学ぶ「ごろんコンサート」が好評。

クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。

本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。

2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。

国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。

森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)

森の歌会 vol.19 あの山に登ろう

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