心の豊かさが分かる地方文化。竜の通り道、天水、カカシ達の村。10/18(火)森の旅136日目。
この日はいくつもの場所を一気に駆け抜けた。
これほど大分に様々な場所があるとは思わなかったし、とても個性的な文化が芽生えつつあると感じました。
これから僕とも関わりが深くなるかもしれない、この日訪れた素晴らしい場所をご案内します。
大分県由布市の山の中に突如現れる不思議な森。
細長いコナラの林の至る所に、カラフルなアート作品が並び、それがとてもレベルが高い。
そして、なによりかわいい。
どこに来てしまったんだろう?
そんな想いにかられるこの場所を管理しているのは、足達タツヤさん(写真左)。
この作品は、以前ここに住んでいたアーティストさんの作品で、一緒に森を丸ごとアート作品に作り上げたそうです。
すごいのは、最初はただの森だったところを、藪を切り開き、家を建て、駐車場を作り、こんなに巨大なアート作品までつくってしまったこと。
どれだけの労力と年月が費やされたんだろう。
おかげで、ここはとても素敵な、素晴らしい空間になった。
こんなにセンスが良くて奇妙な森、日本のどこに行ってもないよ。
キリンの家の中は…
こんなに素敵な空間!ここでならとても親密なライブができそうです。
カラフルな鳥小屋。
実際にこの小屋で巣を作るヤマガラが、僕らのところまで飛んできた。
違う敷地だけど、こんな小屋も。
この土地のオーナーさん立っての希望で、作っただとか。
隣の方の敷地ですが、別荘として宿泊できるところもあるそうです。
こんな素敵な場所ですが、冬はマイナス10度くらいまで下がる。
ここで冬を越すのは大変そうです。
自然の厳しさも含めて、自然なんですけどね。
森のシンガーソングライターはいつか、自分の森を購入することを考えていて、ここならなんと森とアート作品が一緒についてくる!
電気も水道も通っている。
こんな場所が拠点だったらいいなあ。
なんと現在、土地と建物とアート作品付きで売りに出されています!
さて、続いては、大分県日田市の天ヶ瀬で訪れたすごい露天風呂。
お世話になっている方から「ちょっとお風呂に行って来たら」と言われて割引券を渡されて行ってみたらびっくり。
見事な石組みと苔の、濃密な日本庭園の中にある露天風呂でした。
この門をくぐるのもびっくり。
飛び石を一歩一歩降りていく。
僕は造園を学んだ時代に、少しだけ石組みを習いましたが、それでもこの石組みの見事さは、ちょっと我を忘れるくらい。
この森の奥に…
見事な露天風呂。
なんと風呂に入って天然の滝も見える!
お風呂の為に作られた庭というより、もともとあった大自然の滝や地形を生かして、繊細でダイナミックな石組みによる日本庭園と露天風呂が作られた感じです。
とにかくこのセンスに脱帽。
わあー、わあーとうなりながらお風呂に入ってしまいました。
ここは民宿なのですが、風呂のみの利用もできるのです。
なんと日帰り入浴料で550円!
こんな見事なお風呂にそんな安くていいんでしょうか。
僕が旅の中でやむなく入るような町のスーパー銭湯だって800円近くするのに。
この天ヶ瀬温泉や、のちに訪れる杖立温泉もそうなのですが、この辺りはとにかく温泉が安い!
200円とか、無料で入れる温泉もある。
なんて温泉に気前のいい土地なんだろう。
天ヶ瀬温泉 山荘天水。
大分県日田市天瀬町大字桜竹601
TEL:0973-57-2424
なんと、受付にも巨石が配置されている。
そして最後は、かかし祭!
道を歩いていると「おや、ずいぶん人が集まっているなあ」と思ったり、道端にうずくまっている人を見て「大丈夫ですか?」とこえをかけてしまったりする。
これが全部「案山子」だったりする。
大分県日田市の天ヶ瀬では、一時期、そんな場所が出現する。
これは夕暮れ時に見たら分からないし、知らない近所の人が来たら思わず声をかけるだろう。
この作品は、日田市やその周辺の有志が集まって、毎回自慢の案山子を持ち寄る「かかし祭」。
イベントで本当に人が賑わっている時もあるし、本当に案山子しかいない時もある。
こういう「かかし祭り」は、調べてみると全国いろんなところで行われている。
日常の風景の中に、自分の自慢の案山子を作って、みんなで持ち寄って眺める。
そこでお茶を飲んだり、話したり、次は何を作ろうか、という交流の場になる。
今回見てきた「竜の通り道」も、「天水」も、「かかし祭り」も
とにかくみんな楽しんでいると思う。
地の利を生かして長い時間をかけて作っていったもの、とにかく毎年楽しみに作るもの。
こういうものは、作ったからお金になるものでもない。
「竜の通り道」さんも、「天水」さんも、作られたものの価値の割に、入場料などは安すぎる。
でもこういうことが「文化」であり、日常に根差している「文化」こそ素晴らしい。
僕の見たところ、大分の人はとにかく、作るものの完成度が高い。とにかく自分の最高だと思うものを長い時間をかけても完璧に作る。
例えばそれが、何に使うのか決まっていなくても。
地方の人の心の豊かさ、時間の使い方の豊かさが分かる。
都市に住む人との違いがこういうところに現れている。
皆さん、決して裕福とは言えない人もたくさんいる。
でも、こういうことに手を抜かない人達。
大分の人達がみんなこうとは言わないけど、長く地方を旅して来て、一番思うのは、こういう「豊かさ」だと思います。
本当は、ご案内いただいた方のお宅も、丘の上から日田の山並みを見下ろせる素晴らしいお宅で、レポートしたかったのだけど、何せ個人宅なので、遠慮です。
せめてお持て成しいただいたすばらしくおいしいアンコのお餅を自慢したいと思います。
中のお餅には豆腐が混ぜてあって、驚くほど柔らかい!
そしてアンコが甘すぎず、上品でいつまででも食べていられそう!
ご馳走様でした!!
さて、次回のオススメイベントはこちら。
皆さんとお会いできますように。
【箱根】★12/11(日)「森の中で音楽に癒される!自然と人の共生を学ぶハコネエコビレッジで森の歌会」
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。11月~2月は関東で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!
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【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)