ホールアース自然学校に行ってきました!森の旅7/28(木)53日目、静岡県富士宮市。
30年の歴史を持つ、自然学校の草分け「ホールアース自然学校」
まずは、代表である広瀬敏通さんのご紹介です。
1950年東京生まれ。環境教育の草分け的存在である「ホールアース自然学校」代表。大学時代に、インドへ渡る。障害者の村づくりに関わるが、インド政府の突然の方針転換で帰国を余儀なくされる。再びアジアに戻り、カンボジアで難民支援の国際協力活動に取り組んだあと、30歳のとき日本へ帰国。富士山のふもとの「動物農場」で自給自足の生活を始める。ヤギ、羊、馬、牛などの家畜動物とのふれあい、ロッククライミング、洞窟探検などを通じて、自然とのつきあい方=「自然語」を伝えている。最近の著作に『自然語で話そう~ホールアース自然学校の12ヵ月』(小学館、1999年)など。
(出典:http://www.ecostation.gr.jp/interview/1999/40.html)
(特)日本エコツーリズム協会理事のほか、(社)日本環境教育フォーラム常務理事、(特)自然体験活動推進協議会(CONE)理事などをつとめる環境教育、野外教育分野の専門家です。
僕も、環境教育の現場では、様々なところでお会いします。お食事をご一緒いただいたこともありました。
そんな広瀬さんが始めたホールアース自然学校は、今では富士、新潟、福島、沖縄と全国に拠点を持つもっとも有名な自然学校です。
青木ヶ原樹海のケイビングから、富士山麓トレッキング、体験キャンプから、里山のようちえんまで、幅広い対象の方々に自然体験を用意しています。
そのホールアース自然学校に、今回特別にお邪魔して
富士本校の様子をご案内いただきました!
事務所前の風景。入った瞬間、どこかのテーマパークに来たかのようにワクワクしました。
フィールドにあるいくつかの建物はすべて木造建築で、ログハウス風のものばかりです。
ログビルダーの方と一緒に作ったものや、スタッフの皆さんが少しずつ建てられたものもあるそうです。
建物一つ一つに、歴史を感じます。
遊び心に溢れた演出。「楽しんで作った」という愛を、感じるのです。
なんとクライミングウォールが!すごい高度があります。
その建物の間を縫うように、小川が曲線を描いています。
こちらは農業用水だそうです。
この用水は、途中で池に溜まります。
即席ビオトープです。僕らが行った時も、大きなトノサマカエルが飛び跳ねていきました。
今回ご案内いただいたキャンプ担当スタッフの浅子さんです。
浅子さんは、猟師でもあります。ご自分で撃って来たシカやイノシシなども、このホールアースで解体したりするそうです。
ホールアースのキャンプで出てくる肉は、このシカ肉やシシ肉を使うこともあるみたい。うらやましいですね。
フィールド内はこんな木道が、山の斜面を縦横無尽に駆け巡っています。
とにかくワクワクします。そんな風に思えるものを皆さんで作ってきたんだと思います。
はるか下にもフィールドがあります。あそこまで木道で降りて行きます。
ホールアース富士本校は、この場所に落ち着くまで、これまで何度も土地を変え、試行錯誤を繰り返してきたそうです。
何十年もの歴史の中で、土地の方とのご縁、そして自然学校に最適な土地はどこか、何度も建てては引っ越しをして来たとの事。
この素敵な場所に落ち着きました。
このフィールドは元々は山の斜面の栗畑。
キャンプ場でも何でもない土地を、こんな風に整備し、広場を作り、家を建て、木道を作ったのです。
この設備を自分たちで作って来たことを思うと、大変な労力です。
下のフィールドでは、実習生のお二人がウッドデッキの整備をしていました。
住み込みで、数か月間、自然体験の技術を学びます。
このウッドデッキは、テントを設置する用のもの。
このように設備としてテントを使う場合、なるべく土に直接付けないこと、日光による劣化を防ぐ為の日よけ幕も張っています。
なるほど、自然学校ならではの知恵です。
キャンプで使う水道は、富士山の伏流水だとか。なんという贅沢!
フィールドを一番下まで降りると、紺碧の沢が!
水がものすごく冷たい!ここで、泳いだり、カヌー体験から魚のつかみ取りなどを行います。
冷えた体を温める、ドラム缶風呂の用意もばっちりです。
宿泊、研修などに対応した「森の家」。
大変多くの学校団体や企業研修の受入を行っているホールアース自然学校。
こんな場所に連れて来られたら、勉強や研修を忘れてウキウキしてしまいますね。
このフィールド一つで、キャンプ、研修、焚き火、炊事、川体験、農体験、あらゆることを行うことができる。
でも、実は一般の方が利用できるフィールドではないのです。
ぜひ、ホールアース自然学校主催のキャンプに、参加してみてください。
家畜と暮らすということ。
さて、ホールアース自然学校では、代表の広瀬さんのコンセプトである「家畜と暮らす」ことをもっとも大切にしています。
前は馬も飼っていたという「動物農場」。
ヤギの飼育小屋。
ヤギのフンをそのまま下の斜面に落とせるスライダー。
下が堆肥場になっていて、その肥料はそのまま体験農場で使用します。
田んぼの草を食べてくれるアヒル。
笑顔の農業担当スタッフさん。
アヒルは、ある程度成長してしまうと、逆に苗を食べてしまうので、定期的に子アヒルと入れ替えます。そして、大きくなったアヒルは、料理して食べてしまうのです。
ここのキャンプでは必ず家畜の世話という体験が付いてきます。
ヤギ小屋の掃除から、そのフンからできた肥料での農業体験、そしてそこで出来た野菜を食べます。
フンからできているものを食べている、という循環。
魚の掴み取りも、自分で腹を裂く作業をします。
シカやイノシシの解体も行います。
家畜と暮らすとはどういうことか。
僕たちの世界は、暮らしと生き物と食べ物が、どんな風に循環しているんだろう?
それが、ホールアース自然学校がメインに伝えていることなのです。
最後に、倉庫も少し見せていただきました。
なんとチェーンソーが5台も。他にも木工工作機械など様々な設備が揃っています。
ホールアース自然学校では、自然体験の他に、地域の森の間伐、森の整備も行います。
山の斜面に、ずいぶんと竹林が多いことに気づきます。
昔は竹材生産も行われていた山々です。
今では放置された山林、竹林を、ホールアースの皆さんが地域の皆さんと協力して整備しています。
さて、いかがだったでしょうか。
ほんの少しフィールドを見せていただいたおかげで、その歴史と、メッセージと、何より楽しさを感じる素晴らしい場所でした。
スタッフの皆さん、森のシンガーソングライターの突然の訪問、快くご対応いただき、ありがとうございました!
さて、気になる次の森の歌会は
【群馬】ブナの原生林に癒されたい★8/27(土)「森の歌会~奥利根水源の森」@みなかみ高原
尾瀬にほど近いみなかみ高原です。ご家族で、夏休みのご旅行に森の歌会はいかがでしょうか。
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。
クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。
本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「屋根の上、空に近い場所」
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。7月は静岡、8月は栃木、群馬で、9月は北陸で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様など、体験内容や料金も応相談!
【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/