地域で歌を聴いてもらうということ。レポート「山梨県の森の旅、乗馬センター編」@南アルプス市
アーティストが、地方に行って、森でライブをしますと言っても、誰が聴いてくださるだろうか。
それが名前の前に「あの!」が付くようなアーティストでなければ特に。
僕の旅の課題はまさにここで、東京では、多摩市稲城市の皆さんでさえ、受け入れてもらうのに4年ほどかかったものを、どうやって他の地域で受け入れてもらえるかということです。
それを特に教えてくださったのは、この1ヶ月に渡って、僕を滞在させてくださり、数々のイベントを開催させてくださった「南アルプス市乗馬センター」の皆さんです。
親子向けイベント「森のおんがくや」
森の作詞作曲教室「森歌じかん」
大人向けライブ「森と風を感じるライブ」
と様々な対象に向けて計7回のイベントをさせていただきましたが、思うほどたくさんのお客様を呼ぶことができなかったり、回によっては一人のお客様も呼べずに中止となる回もありました。
それでも、興味を持って参加してくださった方もたくさんいましたし、参加してくださると「思っていたよりずいぶん素晴らしかった」と言ってくださることも多々ありました。
なんと感謝を申し上げようか…。
繊細な感覚を持った馬を飼育している乗馬センターで、僕は人相手に、時には馬を相手に歌をうたう。
こんなことは、普通のセンターでは考えられないことではないかと思います。
それは、僕の活動を買ってくださっているセンター長をはじめ、スタッフの皆様のご理解のおかげです。
ここ、南アルプス市乗馬センターはホースセラピー「馬と人のふれあい」に重点を置いています。
皆さんは馬に乗ったことはありますか?
僕はこの乗馬センターに関わって、初めて馬に乗せてもらいましたが、この体験は素晴らしいものでした。
生き物の背中に乗せてもらって移動する。
これは、車や電車に乗り慣れて来た感覚とはまったく違うものです。
あの場所から、この場所に移動するのに、生き物の力を借りるというのは、なんと言うか、感謝以外の何物でもありません。
考えてみたら、生き物の背中に乗せてもらうことは、小さい頃にお父さんにおんぶされた以来でした。
この事が人に与える影響はとても大きいと考えます。
馬は優しい生き物です。
人を背中に乗せる時、その人の精神的状態や、身体的不自由さを考慮して、動きます。
馬は、言葉のみならず、体、心、その他あらゆる感覚を持って、人とコミュニケーションしながら歩きます。
そのことが無意識のうちにでも、僕たちが忘れかけていた感覚に働きかけます。
ホースセラピーとは、その短い時間に、馬と心を通わせ、自分の心を見直すことかと思います。
人が森に入ると癒されるように。
この乗馬センターの素晴らしいことは、未経験者でも非常に安い金額で体験できることです。
「乗馬」というと、ハードルが高いと思っている皆さん、ぜひいらしてみてください。
乗馬センターのお仕事も、一部体験させていただきましたよ。
厩清掃。ふるいにかけて、フンとおがくずを分けます。
裏堀り。定期的にヒズメの裏の土を掻き出してあげます。こうしないと病気になってしまうそうです。
ちゃんと、お馬さん達は、ひょいと足を上げてくれます。かわいいです。
ブラシがけ。かければかけるほど、毛並みがきれいになっていきます。馬も気持ちよさそう。
なんと、ツバメの赤ちゃんが落ちてきてしまいました。わたわた巣に戻そうとするスタッフと、それを見守るお馬さん達。。。
さて、そんな乗馬センターが、乗馬のみならず、あらゆる人々の交流の場になるように
森のシンガーソングライターがこの地域でさせていただいたイベントをご紹介します。
「森と風を感じるライブ 2016.6.19」
フルート奏者の植田理恵さんをお迎えしてのライブです。乗馬センターのクラブハウスで行いました。
地域の皆様や、普段は交流のない乗馬センターのスタッフにも参加してもらい、行うことができました。
証の出演時にギターでサポートしていただいたのは、乗馬センターのお客様のKさん。
テニスコーチなのに、ギターが弾けるということで、証からお願いして出演していただきました。
意気投合して、Kさんには長く仕舞ってあったギターを引っ張り出してもらい、宅にもお邪魔して、わいわい練習して本番に臨みました。面白かったなあ。本の趣味もすごく合うんです。
ライブをする時に、その地域の方と一緒に演奏できるのは素晴らしいことです。
乗馬センタースタッフのTさんと練習。普段は第九をやっているのことで美声を生かしてのコラボです。
練習のお客様は、ウサギとか馬とか子ども達とか。。。
「森のおんがくや 2016.6.24」にて。
森の中でおもちゃのピアノを弾く子ども達。
乗馬センターでの引き馬体験+森の歌会のセットです。
親子で森に出かけて、自然散策をしながら、音楽を楽しみました。
フルートの植田理恵さんとはここでもコラボ。
森の中で歌を作る「森歌じかん 2016.6.12 6.26」にて。
森を散策していろんな発見をします。
この日、みんなで食べたコウゾの実。食べ頃でした。
この日行った場所は、御勅使川福祉公園。なんと、人の通る道の他に、馬が通る用の道もあるんです。
この日は乗馬センターがサービスで馬を歩かせに来てくださいました!
もちろん恒例の、寝転がって歌を聴く場面も。
雨で、森に行けない日もありました。そんな日でも、楽しい音楽で、過ごします。「雨だったけど、来て良かった」という嬉しいお声も。
この日は、近くの「白根百田小学校学童」にお邪魔して、森の歌会をさせていただきました。
子ども達と校庭の樹木を、音楽をしながら観察。
そして、寝転んで歌を聴く。学童の先生にも寝転んでもらいましたよ。
ここでも、フルートの植田理恵さんにも出演いただきました!贅沢なライブになりました。
僕が旅を始めて、いきなりのタイミングでここまでイベントをさせていただいたことは、乗馬センターの皆さんの特別なご厚意であり、ほとんど特例のことでした。
本当に本当に感謝しています。
同時に、一つの地域でイベントを行うことの難しさを感じています。
本当にその地域のことを知り、森と人を繋げるイベントをしたいなら、最低3か月は滞在して、いろんな人と仲良くなったり、学ばせていただく期間が必要でした。3か月でも足りないくらいですが…。
そのことを、この場所に長く滞在して、勉強させていただきました。
森のシンガーソングライターの森の旅、まだ始まったばかりですが、素晴らしい時間をまずはありがとうございました!
さあ、次回の気になる森の歌会は
【山梨】野生のシカとシラカバの地★7/16(土)〜17(日)「森の歌会 清里キャンプ」@北杜市
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を、音楽と共にお届けします。
本名 山田証。東京都多摩市在住。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」
森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。7月は静岡、8月は栃木、群馬で、9月は北陸で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様など、体験内容や料金も応相談!
【下記のフォームよりお問い合わせください】
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