ナイトウォーク、暗闇と仲良くなる方法。レポート「親子キャンプ〜森の歌会プログラム」@埼玉名栗げんきプラザ
「やっぱり行きたくないよー」
「いや、俺は冒険するぞ!」
様々な思惑の子ども達が、暮れ行く森に集まってきます。
GW真っ只中。埼玉県の名栗げんきプラザ主催の「親子キャンプ〜初めてのテント泊」の中で、森のシンガーソングライター証が、森の歌会プログラムをさせていただきました。
親子はほとんどの方が、テントで寝たことのない方々。
皆さん四苦八苦しながら、家族でテント設営から、焚き火をおこしての料理まで、いろいろ頑張りました。
そして、いよいよ暮れ行く陽の中、ナイトウォークに出発します。
※暗闇の中では写真が撮れませんでした…。しばらくは文章でご想像ください。
暗闇の森を歩いたこともない方がほとんどで、わくわくする反面、怖い思いもあるようです。
何せ、森の歌会のナイトウォークは、懐中電灯を点けないからです。
本当の暗闇の森に、家族で入ってみるのです。
「怖くないよ。どんどん行きたい!」
と言っていた男の子も、目の前の暗闇の森の口を見ると思わず…
「これは一人ではぜったい行けないと思う…」
4歳の女の子は「いやだよう、かえりたいよう」と泣きべそをかいています。
でも、大丈夫。
森の歌会は、音楽を使って森と仲良くなるプログラム。
最後には、暗闇の森も怖くなくなるように、魔法をかけるのです。
暗闇の森を歩く時には、コツがあります。
一歩一歩、足を踏み出す度に、足の裏に神経を集中します。
今、何を踏んでいるのかな?
木の根っこ、石、落ち葉。
そんなことを意識しながら歩きます。
子ども達も、口々に
「今、石の上」「今は根っこ」
話しながら歩いてくれました。
広場ではまずは、腰を降ろしてみる。家族でそこに聞こえる音を、聴いてみる。
葉擦れる音。
上空の風の音。
鳥の鳴く声。
小川の音。
遠くの車の音。
遥か上を飛ぶ飛行機の音。
そしたら今度はもっと深い時間。
夜の森に寝転んでみる。
背中をぴったり森のでこぼこに付けて、家族で寝転んでみる。
そして暗闇の森で、歌を聴きます。
今回は、僕のパイオニアソングの歌とギターに、ボランティアスタッフのあいさんが、鍵盤ハーモニカで参加してくれました。
曲が終わる頃には、すっかり、暗闇の森と仲良くなったみたいです。
寝転ぶ。
歌を聴く。
これだけで、ずいぶん変わる。
最後はみんなで「夜目」を試すプログラム。
この頃はすでにみんな、目が慣れているので、夜の森でもいろんなものが見えるようになっています。
普段の街で暮らしている人間の目と
夜の森で暮らす動物の目はどう違うのかな?
これは体験した人だけのお楽しみ。
泣きべそをかいていた4歳の女の子は
「楽しかった」
と笑顔。
こんなに静かに澄み渡った音楽を聴いたのは初めて。
地球と人は、繋がっているんだなあと思った。
森と家族になったみたい。
ベース音が響く度に、自分が木になったみたい。
森のことが何だかわかった。
心が洗われたようだ。
たくさんの感想をいただきました。
名栗げんきプラザからのアンケートでも、非常に満足度が高かったという結果をいただき、本当に感謝しています。
準備をしてくださったスタッフの皆様と、参加してくださった親子の皆様のおかげです。
もちろん、まだまだ違った森の感じ方、今回不足だったところ、改善して皆様が満足できるプログラムを目指していきます。
森の中から音の出るものを拾ってくる。
みんなで楽器を鳴らしながら森を歩く。
雨の森でも、みんなで歩いてみる。雨の楽しみ方、レクチャーさせていただきました。
森の中の宝物探し。
ナイトウォークで寝転んだところを、今度は朝、寝転んでみる。
ぜひいろんな森の「森の歌会」に来てみてください。
そして「森の歌会」をさせていただけるところも募集中!
次回のおすすめはこちら!
歌を作るキャンプをしよう★5/28(土)〜29(日)「森フェス前夜祭ミュージックキャンプライブ!」
【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】
森の中で、歌を聴こう。
「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を、音楽と共にお届けします。
本名 山田証。東京都多摩市在住。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。
2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。
国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。
森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)
証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」