続、その森をどう活用できるか。キャンピングカーで森の旅307日目、宮崎県延岡市。

宮崎の山の姿。

「この山は経済的価値を生み出せない」

日本にはこういう森がたくさんある。

本来森には、たくさんの機能があり、資源があり、活用すればどんな風にも共存して行ける。

でも経済的価値という概念で見る限り、価値がないという見方になってしまう。

どうしてだろう?

例えばこの森の素晴らしい資源はこういうもの。

大小いろんな形を持った滝や渓谷の絶景!
滝1

滝2

ここを歩くだけで、ずいぶんいろんな人が癒されて、風景は健康への寄与となる。

藪のように所狭しと生えているこのジャングルは
アラカシやシイなどの常緑樹を使った萌芽更新をした跡。
常緑樹の萌芽更新。

アラカシ。

本州から来るとこれは珍しく見える。

萌芽更新とは、薪や炭として使う為に、木をある程度の細い内に伐り出してしまい、残った切り株からまた萌芽させて、細い材を何度も収穫する方法。

本来萌芽更新は、成長が早いクヌギやコナラなどの落葉樹で行われることが多い。

でも温暖な気候の宮崎では、常緑樹であっても成長が早いので、アラカシやシイが使われる。
この森は昔は、炭材の為の森、近代では製紙工場などに卸すパルプ材の為の森だったらしい。

炭材として皆伐した後に、また新たな常緑樹を植えた場所。
皆伐の後。

皆伐と植林。

これだけでずいぶん面白い学びの場所となる。

山林を管理する時に、雨の度に崩れてくる作業道。
崩れてくる岩1

崩れてくる岩2

この山のどこが水の通り道になっているのかが分かります。
人が山を管理しようとする時に、どのような課題があるのか。

なぜこの岩は崩れやすいのか。
もともと大きな岩盤ではなく、細かい岩が重なってできている山。
そこに樹木が根っこを張り、水が流れ、自然に崩れていくのかもしれない。

こんなことをみんなで観察するだけで、日本の森を学ぶ貴重な機会となる。

もちろん、僕が普段から案内しているような、樹木の生態や、野草、山菜を学べる場所でもある。

僕にとってはこんなに素晴らしい資源。

でも、山主さんにとってはそうではない。

山を持っているだけで税金がかかる。

この山に人を入れようとすれば、安全な道路を整備して、トイレや休憩所など必要な設備を入れるだけで巨額のお金がかかる。

一体いくら売上げたら、山主さんに還元できるだろうか。

僕がこの場所で定期的に「ごろんコンサート」を開いたとしても、1シーズン100万円くらいは利益があれば、例えば10%の10万円くらいは、還元できるかもしれない。

でもその規模のイベントをコンスタントに開催するには、行政や旅行会社などと提携して、かなりの観光客を動員する必要がある。
外国人をターゲットにしたコンテンツも用意して…

まったく現実的ではない。

経済的規模を拡大しようとすれば、当然設備投資や、人材投資も拡大していく。

経済的価値を考えないで、規模を小さくすれば、もっとコンスタントにいろんなことを試せるかもしれない。
投資が少なければ、見返りも少ないが、まずはいろんな方向性を試してみることができる。

でも山主さんが大きな会社であればあるほど、その規模の事業には手を出せない。
たくさんの社員を抱えた身なら、もっと現実的で確実に利益になる事業計画でしかGOサインは出ない。

人間社会はいったいいつからこうなったんだろう。

経済のことを考えなければ、森はいつでも資源を提供してくれるし、学びも与えてくれる。
まったくお金をかけなくたって、お客さんはやってきて、経済以外のいろんな価値を、僕たちに置いて行ってくれる。

経済のことは本来は最低限でいい。

日本の山は、経済的価値がない。

本当は価値があっても、そういう風に判断され、山主も使わず、他の人も関わらず、山林は誰も手を出すことなく荒れていく。

荒れた山は、災害となり、人里への被害となる。

日本にはこういう山林がたくさんある。

皆さんなら、どのように関わっていくでしょうか。

オマケ。
宮崎で作業員の方が使っていたナタ。
宮崎のナタ。
この地域ではこういう形をしている。先端はひっかけて使うこともできるし、相手に怪我をさせない安全な刃先でもある。

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本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。

2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。

国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。

森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)

森の歌会 vol.19 あの山に登ろう

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