本当に必要なものは何か?「ダーチャプロジェクト」8/9(火)森の旅65日目、山梨県北杜市白州町。

向山さんと話す。

ダーチャプロジェクトを知っていますか?

ダーチャプロジェクトとは」

ロシアには「ダーチャ」と言う国民的ライフスタイルに関わる言葉があります。
日本語に意訳すると「菜園付き週末別荘」ということになります。

ロシアの約8割の人がこのダーチャを持ち、週末には必ずダーチャに出かけ、菜園の手入れをしたり、家に手をいれたりして過ごします。
家族や知人と過ごすこの時間はロシアの人達にとても豊かな時間を与えてくれています。
彼らは食料のほとんどをここから自給します。冬を除いた季節の週末、そして夏の長期休暇を利用して一年分の食料を生産し、保存食をつくります。

(http://dacha-support.com/whatsdacha/)

このダーチャコミュニティは、日本では現在、山梨、千葉、京都、福島にあります。
今回は山梨県北杜市の滞在型農園「五風十雨農場(ごふうじゅううのうじょう)」に森のシンガーソングライターがお伺いました。
向山さんと証。

代表である向山さんは、長年経営されてきた会社の社長を引退されてから、このダーチャサポートの副理事長になりました。
かかげる理念としては、自然農法、誰もが参加できるコミュニティ、資源の循環。

向山さんは、この土地で、なんと電気、ガス、水道を自給できるインフラを確立。

まずこれでどんな災害が起こっても、このコミュニティは自活できる。
これは今でいうところのエコビレッジにとても近いように感じる。

どんな人でも、若者はもちろん、老人でも、外国人でも、その志さえあれば、この農園に寄宿し、農場作業をすることによって、学べる。
学べる内容は、農業をもちろん、当面の社会的ニーズに対応できる技術、特に、エコ・イノベーション、食養、 セラピーなど。

「半カフェ」 "兼業カフェ" (?)、つまりは、"たまり場"なんですが、カフェ経営者は、シャカリキになって売り上げを伸ばそうとしない、かといって、売り上げは、そこそこ経営者にとっても助けになる。そんなカフェ。

(http://kofukutei.web.fc2.com/aboutus.html)

森の中に小屋を作る。

現在、二棟の小屋を作るべく準備中。
できあがったら、居住者を募集するそうです。

この眺めが良く、丘の上から絶景が見渡せる白州での滞在型農園、そして人の善意と奉仕で成り立っている。
これはやはりエコビレッジのような感覚。

土台の丸太の横にいくつかに穴が掘ってある。

これは、気脈水脈を通す穴とのこと。これがあることで、空気と水の通りを良くし、カビや腐食を防ぐそうです。
気脈水脈の穴。
穴の中には練炭が入っています。

この居住小屋はあと20軒以上は作る予定とのこと。

すでに完成している縄文式トイレ。かなりデザイン凝ってます。。。
縄文式トイレ。
用を足したら、バケツのもみ殻をかける。
おがくずのように抗菌作用の他、肥料として使用できる。
縄文式トイレ2

自然農法をやりきること。
自然農法1

上記のような理念を掲げて、環境活動をすることの大変さは、やってみた人しか分からない。
特に自然農法は、放っておけば良いというものではないそうです。

「自然農法の田んぼは、つねに自分の手で草取りをし続けないと稲が負けてしまうんだ」
「それでも、農薬を使って草も生えない田んぼから、私たちが得られるものはあるかな」
「私達が本当に美味しいと言って食べるお米は、生物多様性から生まれる」

そんな五風十雨農場の田んぼ。
自然農法田んぼ。
稲より高く育たない草は取らないで放っておく。
そんな田んぼの中に生息する生き物は、ゲンゴロウ、タガメ、ミズカマキリなど、今では見られなくなったものばかり。

ここまで維持していくことに、どれだけの労力と試行錯誤があったかと思います。
数十年かけて、ようやく今の形に落ち着いたと向山さんは言います。

もっとも面白いと思ったのは、この「マニ車」。
マテ車。
こちらは材をタルのように組み合わせて、中が空洞になっています。

この中に「ありがとう」と書いた紙を投函できるようになっています。
ありがとうを書く1
証も書いて投函しました。
ありがとうを書く2

このマニ車には、地域の民話に出てくる四つの伝説が絵として掘られています。

地…ダイダラボッチ伝説
水…釜無川の蛇女伝説
火…耳のあるウナギ伝説
風…絵馬の中の馬伝説

そしてそれらをまとめる役割として「虹の龍」が描かれています。

これが、水車の力で右回り(エネルギーを空に押し上げる)で1日1万回転するそうです。
水車。

考えてみてください。
我々が書いた「ありがとう」の言葉が、地域の伝説の力を借りて、1日1万回、空に押し上げられていくんです。

もし我々が、見えないエネルギーの流れを信じていなかったとしても、このマ二車を見た全員が

「僕の言葉が1万回空に上がっているのか」と想像するだけで、その気持ちの変化はこの世のあらゆることに無関係ではないでしょう。

そう、向山さんのモットーは「感謝、笑い」のエネルギーを、世の中に広めていくこと。

このマ二車はこれまでどれだけのエネルギーを送ってきたんだろう。

森のシンガーソングライターの森の歌プログラムも、皆さんに受けてみていただきましたよ。

森のシンガーソングライターと子ども達。
大きなサワグルミの木の下で。
大きなサワグルミの木の下に寝転んで、森の歌をみんなで聴いていただきました。

「木が踊っているようだった」

「木と仲良しになれた」

「木の根っこのところにいたので、森と一体化して、鳥とか虫とかが、自分に止まってくるようだった」

「自分が土の中に溶け込んで、また自分が大地から循環してもどってきたみたい」

などなど、様々な感想をいただきました。

体験いただいた皆様、ありがとうございました!

メイン小屋。
小屋の中にある大きな柱は、スギの大径木。
これだけのスギがたくさん眠る森が、この近くにあるそうだけど、今回は行けませんでした。

一緒にこの五風十雨農場を支える「キロン」さんの酵素ジュース。
キロンさんの酵素ジュース。
キロンさんが「酵素」を使って、どのように世の中を変えようとしているか、とても面白い話もあるのですが、これはまた別のお話にしましょう。
とにかく、美味しい!

残りの時間で、みんなでのんびり梅干しの天日干しをしました。
梅干しの天日干し。
この梅干しは、裏の畑の「30年以上放置されて」もはや天然林と化している梅林から収穫したものとか。
おそろしく美味い。

最後に
と向山さんが言いました。

「すぐそこに公園を作ったんだ」

言われるままに、やぶの中に入っていく。
公園1

やぶの向こうに先ほどの田んぼが見える。

いったいどこまで行くんだろう。
もはや前を行く向山さんも見えない。

公園2
どんどん藪は深くなっていく。

最後に看板にたどり着く。
公園3

実は今まで歩いてきた道?が公園だったらしい。
道を整備して、皆伐した山にいろんな方と600本もの花木を植えたそうです。

そう、今まで歩いた藪の景色は、600本が8年かけて元気に育った姿。
公園だったはずの道は跡形もない。

自然の成長の素晴らしさに感動しながらも

「今度来たら整備しよう」と心に誓うのでした。

さて、次の森の歌会は

【群馬】ブナの原生林に癒されたい★8/27(土)「森の歌会~奥利根水源の森」@みなかみ高原

尾瀬にほど近いみなかみ高原です。森のシンガーソングライターが、森の歌を共にガイドを行います。ご家族で、夏休みのご旅行に森の歌会はいかがでしょうか。

証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」

森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。8月は栃木、群馬で、9月は北陸で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様など、体験内容や料金も応相談!

【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/

【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】

森の中で、歌を聴こう。

「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。

クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。

本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。

2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。

国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。

森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)

森の歌会 vol.19 あの山に登ろう

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