10年も続く、いけだエコキャンドルとは?@福井県今立郡池田町

エコキャンドルで演奏2

エコキャンドルとは?

エコキャンドルとは、主に生活の中で捨てられてしまう廃油を使って、キャンドルを作り、それを灯す代わりに消灯し、節電すること。

一つの資源循環を例に、環境を見直すイベントとして、全国各地で行われています。

僕達の自然体験も、エコキャンドルも、地球環境を見直すという意味で同じ。

でも、どちらもイベントをする以上に大事なことがあります。

時々イベントをして、それで終わりでは意味がない。

自然体験もエコキャンドルも、イベントを楽しく終えて、非日常の世界を味わうために行うのではなく

どうやったら、日常の中に還元できるかを考えたい。

非日常では、なく、日常の中で。

イベントに参加した僕達の日常には、どんな風に落とし込まれたんだろう?
これを、主催側も、参加者側も、考えてほしいポイントと、僕は思っています。

池田町のエコキャンドルは、すごい。

まずは、先日行われたエコキャンドルの様子をご覧ください。

ゴルフ場の一面に並べられた廃油を使ったキャンドルに、参加者がみんなで火を点ける。
「自分で火を点ける」ということが良い。
エコキャンドルの準備風景。

運営委員の皆さんはみんなボランティア。そして楽しそう!
運営委員の皆さん。

灯のアップ。

池田町への愛に溢れてますよ。
アイラブイケダ。

こうして全部に火がともると、演奏が始まります。
エコキャンドル全景。

琴の大家、永田雅香先生の演奏から。
なんてキャンドルに相応しいんだろう。
永田雅香さん。

そして、森のシンガーソングライター証です。
証の出番。

エコキャンドルで演奏。

エコキャンドルで演奏3

最後は愛媛から旅をしてきたシンガーソングライターのけいほさん。
けいほさん。

素晴らしいメンバーとのライブでした。

集まったお客さんもたいへん多かった。
さすが10年続いているイベントです。

エコキャンドルが、ちゃんと日常生活に浸透している。

さて、池田町のエコキャンドルの特徴は、使用する廃油を、日常的に回収するシステムまで出来上がっていることです。

(廃油回収事業)
月2回のペースで、町内のガソリンスタンドの廃油回収缶や、飲食店から廃油を回収しています。
集めた廃油を軽油に再生し「あぐりパワーアップ号」で利用しています。
(http://www.ecoikeda.jp/03link/index.html)

廃油を集め、みんなでキャンドルを作り、年に一度のエコキャンドルで灯す。

資源の循環
生活
祭り

が一体になっている。

HPのエコキャンドルについての案内にも、このように記載があります。

池田町が目指す、自然や人、生活文化などの資源や技術を結びつけた 「地域資源連結循環型農村」。
この取り組みのひとつに、廃油の資源再生化運動「菜の花プロジェクト」があります。

エコキャンドルはその一環で始められたイベントです。

家庭で不要になった食用油からリサイクルして作った廃油ろうそくを、秋の夜、町内で一斉に点火します。

柔らかに揺れる灯り、穏やかに流れる時間。

エコキャンドルを通し、忙しく過ごすうちに何か置き忘れたような日常を、静かに見つめ直すきっかけとなることを願っています。

(http://www.ecoikeda.jp/ecocandle/2006/01aboutus.html)

池田町は、このように集落単独で行う環境対策が素晴らしい。

他の対策も見てみましょう。

牛糞たい肥を利用した米(有機米)づくり。

「あぐりパワーアップセンター」は、家庭の生ゴミを「資源」とし、牛糞ともみがらを混ぜて良質のたい肥に甦らせるプロジェクト。
各家庭では

1.分別を徹底する。
2.新聞紙2枚程度でくるんだ生ゴミを指定の紙袋に入れる。
3.毎週月・水・金とゴミステーションに出す。

そして、専用の回収車で回収しています。

できあがったたい肥は?

1.町内の農家や一般家庭で使用。
2.福井市のアンテナショップ「こっぽい屋」でも販売。

そして町内では、このたい肥を混ぜ込んで、安心・安全な農作物を作る取り組みが進められています。

単純だけどなかなか真似できないのが、この「輪」のしくみです。

生ゴミを分別し、食品資源として出す町民、回収するボランティア、たい肥に再生するパワーアップセンター、たい肥で作物をつくる農家、農作物や肥料を売る販売店、そして良質なものを買い求める消費者。
どれが欠けてもこの「輪」は成り立ちません。

安心な野菜で大人気の「こっぽい屋」
 
こっぽい屋の食品販売は、毎年1億円を超える売り上げがあります。
H13年には全国の平和堂内テナントの中で最優秀賞を受賞。
「安くて安全で新鮮な」野菜や山菜が評判で、主婦はもちろん飲食業者などが朝一に並んで買い求めます。
午後2時ごろまでに7割売れてしまいます。売店に立っていると午前中はほとんどレジが途切れないそうです。

(http://ecoikeda.jp/01project/0111shoku_utern.html)

いかがだったでしょうか。

生ごみも廃油も、ちゃんと積極的に集めに来てくれるから、住民も分別して取っておくことになる。
積極的に集めに来てくれるから、環境への意識も上がる。

そして、集めた資源が、見える形で、生活にも還元されている。

池田町の取り組みは、これだけ熱く動いています。

環境に関する取り組みを、町の住民が進んで実践し、仕組みや基準を自分たちで決めてしまう。

集落単位でここまで動けている町があるでしょうか。

10年続いたエコキャンドルの裏には、日常に根付かせる為の様々な取り組みがあるのです。

今回、僕はたまたま森の取材に来て、エコキャンドルに出演させていただくことになりましたが、本当にこのような場でご一緒できたことは、森のシンガーソングライターとして光栄に思います。

池田町の皆さん、どうもありがとうございました!

エコキャンドル全景。

証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」

森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。10月は九州で、11月は関東で、森の歌会のご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!

【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/

【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】

森の中で、歌を聴こう。

「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。

クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。

本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。

2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。

国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。

森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)

森の歌会 vol.19 あの山に登ろう

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です