学校に行けない子ども達へ。レポート「森の旅の話ライブ~やよい会」

スライドショーライブ。

僕は中学校の頃、不登校児だったのです。

ちょうど中学2年の頃、とある事情で学校に行けなくなり、その後もまともに学校に通うことはありませんでした。

いま思えば、そうでなければ僕は森のシンガーソングライターにはならずに、もっと普通の人生を選んでいたんだと思います。

さて、今回はその頃に大変お世話になっていた、福井市登校拒否を考える会「やよい会」の皆さんに数年ぶりにお招きいただき
福井駅前のコミュニティスペース「ふく+(ふくたす)」にて

森の旅の話ライブをさせていただきました。
ライブ風景。

と言っても、来てくださったのは親御さんがほとんどで、子ども達に歌を聴かせることはできませんでしたが…

不登校でもっとも悩んでいるのは、本人よりも、その親御さん達だったりします。

それは、今も昔も変わらない。

僕自身の体験から書かせていただくと

学校に行けなくなると、まずクラスに居場所が無くなる。

そして、親がそのことで悩むと、家にも居場所が無くなる。

そして、子どもはどこにも居場所が無くなるのです。

学校に行けない将来への不安と、どこにも居場所が無くなることで、不登校の子ども達は追い詰められていきます。

だからこそ、一番近くにいる親が悩まないことは、子どもへの居場所を開いてあげることとなります。

まあ、うちの親は「学校行かなくてもいいよ」と言いながら、その実すごく学校に行ってほしそうな顔をしていたから、そう簡単には親の心も割り切れないんだと分かります。

だから、親御さんにも子ども達にも、ちゃんと言いたい。

本当は学校に行っても行かなくても、人生は何とかなるもんです。

でも、子どもの将来への不安から、自分の子どもにプレッシャーをかけてしまうことがある。

そんな中、現代では学校に行くという概念はずいぶん変わってきたように思います。

学びには衝動が必要だ。

まだアメリカ式の今の教育スタイルが入ってくる前、日本では寺子屋という学校があったそうですね。

そこは、来るもの拒まず、去るもの追わず。

学びたい人だけが来て学ぶ場所だったそうです。

今の学校は、学びたい意思もないのに、国語、算数、理科、社会と、様々なことを詰め込まされてしまいます。

でも、学ぶ意思のない時に学んだことは、その大半は頭から出て行ってしまう。

もちろん、物事を多面的に捉える訓練としての授業であると言えるかもしれません。
そして、集団行動をする為の訓練とも言えます。

だけどこの二つは、科目や学校という枠組みで学ぶようなことではなく、人生で出会う縦や横の繋がりの人たちと触れ合って揉まれて学べることではないかと思っています。

学校という無理やりな枠組みの中で、僕たちが社会から隔離されて過ごした時間は何だか不自然な世界だった。

本当に知りたい!と思って学んだ時、知識はまるで海綿のように、頭に入って行きます。

だから、学びの前には衝動が必要なのです。

僕は樹木を学びたい、と思った時、樹木そのものだけではなく、それに付随する様々な学問を必要に応じて学ぶことになりました。

気象学から地質学、化学式や民俗学まで。

それも意欲を持って学びました。

ひょっとしたら、国語、算数、理科、社会など、最初から分けられていなくても、何か一つ大きな情熱を持って学びを始める時、人は必要な学問を、言われなくても学んでいくのではないでしょうか。

そう思っていたら、やはりそういう小学校が誕生していたのです。

「きのくに子どもの村学園」
山梨県、福井県、福岡県などに展開している新しい概念の小学校です。

「きのくに子どもの村学園」。この長い名前の学校は、和歌山県の北東の端、橋本市の山中でスタートしました。
1学年15名の小さな学校です。宿題がない。テストもない。「先生」と呼ばれる大人もいない。
大人は「○○さん」とか、ニックネームで「ゴンちゃん」などとよばれます。

子どもは自分のしたい活動をよく考えて、その年のクラスを選びます。授業の多くが体験学習にあてられ、
どのクラスも異年齢学級です。2016年度、小学校では「工務店」「劇団きのくに」「よくばり菜園」「むかしたんけんくらぶ」
「おいしいものをつくる会」「ひらおだいファーム」、中学校では「動植物研究所」「劇団バッカス」「くらしの歴史館」
「平尾台研究室」「ゆきほたる荘」「創造工房きのくに」「わらじ組」などのクラスがあります。

(http://www.kinokuni.ac.jp/nc/html/htdocs/?page_id=50)

本やドリルの勉強よりも、実際に作ったり調べたりする活動が重視され、「プロジェクト」と呼ばれて時間割の半分を占めています。クラスはプロジェクトのテーマによってつくられ、子どもは好きなところを選んで所属します。

(http://www.kinokuni.ac.jp/nc/html/htdocs/?page_id=46)

まさに、一つのことを極めようとする時に、それを付随する様々な学問を学ぶ、というスタイルです。

驚いたことにこのスタイルの学校が、文部科学省に認可されているというのだから、時代は変わったなあと思います。

だから、不登校児の子ども達に僕が言いたいのは、ひとつ。

学校に行っても行かなくても、大丈夫。

学校に行くことは、大人になってからでもできる。

だから、必ず行かなくてはならないものではない。

でも、どちらでも選べる。

学校生活の間でしか得られないものもある。

もし腰を据えて学校に行くことを決めたなら、ちゃんと学校に居場所もできてくるし、学校にいる方が面白いこともある。

どちらでも大丈夫。

だから、できるだけ楽しんで生活してほしいと思います。

ライブ風景。

そして、もし学校に行かないことを決めたなら、それはかなり面白い人生の始まり。

誰もレールは敷いてくれないから、社会でどんな風に生きていくのか、自分で考えることになる。
必要なら大人になってから学校に通うこともある。

楽ではない…けど

でも、僕は学校に行けなくて、本当に良かった。

この人生で本当に良かった。

こんな風に生きていけると知ってたら、不登校にあんなに悩むことはなかったのにと思う。

だけど、あの時あんなに悩んだからこそ、この場所まで来られたんだとも思う。

居場所が無くても、悩んでいても、ちゃんと後から大丈夫になる。

すべて、後から大丈夫になるから、その時感じられることを、ぜんぶ糧にして生きて行ってほしいと思います。

そんなことを語りながら、全国の森の旅のお話、楽しんでいただけたでしょうか。

参加してくださった皆さん、本当にありがとうございました!

さて、次回のオススメイベントはこちら。

あなたと森の付き合い方を教える自然体験ライブ!

君はどっちのリトリートをする?

ライト派→【東京】★8/26(土)〜27(日) 大自然の中で何もかも忘れて寝転ぶ!お手軽リトリート@あきる野市

ディープ派→【長野】9/30(土)~10/1(日)標高1000mのエコビレッジ~瞑想と歌のキャンプ@今心imacoco
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7~8月は静岡県、山梨県で「団体様向けゴロンコンサート」や「個人向けプログラム」を受け付けております。
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【ご依頼】個人向け「森のうた処方箋はじめました!」

証の音楽はこちらから聞いてみてください。「パイオニアソング」

森の生き方を知ると、あなたの生き方が変わる。ごろんコンサートのご依頼を受け付けております。1本の木があれば、深い自然を歌と共に感じられます。自然体験団体、森のようちえん、子育て支援、福祉施設様などの、体験内容や料金も応相談!

【下記のフォームよりお問い合わせください】
http://akashi.uzura.info/mailform/

【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】

森の中で、歌を聴こう。

「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の暮らし方、生き方を学ぶ「ごろんコンサート」が好評。

クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。

本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。

2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。

国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。

森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)

森の歌会 vol.19 あの山に登ろう

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