南アルプスユネスコエコパークとは?8/1(月)森の旅57日目、山梨県南アルプス市。

エコパーク探検隊!

南アルプスユネスコエコパークとは?

国際的な環境保全の視点から指定された、山梨、静岡、長野の3県にまたがる南アルプスを統括しての、一つの保全活用モデルです。

山梨県であれば、森の歌会も開催した清里高原のある北杜市や、南アルプス市も全域が含まれます。

これは、大自然を三つのエリアに分け、その関わり方をまとめています。

ざくっと説明しますと

標高の高い山々…核心地域。保全地域として、生態系の確保に努める。

低山にある森林…緩衝地域。人が森を学ぶことができる。適切な保護や管理をしながら自然観察や環境教育に利用します。

人里に近い森林、緑地…移行地域。人里の文化や農業などの人の暮らしをどう結び付けて発展させていくか。

これはつまり、古代日本の「動物の住む奥山」「人も動物も活用する里山」「人の住む里」の考え方と似ていますね。

こんな風に、日本人は、少しずつ古来の日本人の自然との調和の仕方を、うまく現代に組み込んできているように思います。

さて、そんなユネスコエコパークの、南アルプス市伊奈ケ湖で

「こどもユネスコエコパーク探検隊~エコパークで自由研究」のお手伝いに行ってきました。

これは、夏休みの子ども達の自由研究のテーマを、ユネスコエコパークで見つけてもらい、それに「動物」「鳥」「虫」「植物」のそれぞれの専門の先生がバックアップするというすごい企画。

「動物の専門家」…甲斐けもの社中の山本さん。サル追いからイノシシ、シカまで、野生動物研究の実践者。前に「山梨県の森の旅~サル追い 甲斐けもの社中編」でもご紹介しました。

「虫の専門家」…山梨の森のようちえん「きらきら星」の中込さん。無類の虫好きです。虫のことを語りだしたら止まらない。

「鳥の専門家」…南アルプス市役所のユネスコエコパーク推進室広瀬さん。日本イヌワシ研究会会員、山梨県猛禽類研究会会員。

「植物の専門家」…現在大学生ながら、アメリカのウエストバージニア州の大学で野生動物の研究を行う岩下さん。日本の国際自然環境アウトドア専門学校では田んぼの水生生物の研究をしていた。無類の菌類好き。

そして、なぜか森のシンガーソングライター証が、同じ植物の専門家としてお手伝いと言う運びになりました。

集まった子ども達は小学1年生から中学1年生まで総勢30名以上。
みんな自然の姿に興味深々です。
エコパーク探検隊!

伊奈ケ湖では、どんな生き物がいるんだろう?
探検する子ども達。
虫も捕まえる!

植物担当である証にも、どんどん質問が飛び交います。

こういう時に難しいのは、「これは~だよ」と答えてしまうのか、自分で調べさせるのか、ですね。
答えてしまえばそれで満足してしまうかもしれないし、その場で答えが得られなければ、逆に興味が失せてしまうかもしれない。

いつもの僕の森のプログラムとはずいぶん違ったやり方が求められる。

植物担当班、子ども達と一緒にあるく。

でも、整備されたトレイルを歩いているうちは、植物のこと、魅力を伝えるのが本当に難しいんですね。
どうしても、虫とか動物とか、動くものに興味をそそられてしまう。

(虫とか動物や鳥でも、実際にそれに出会えないと興味をそがれてしまうようで、大変だったみたいですが…)

僕のやり方として、まずは子どもたちを、整備されているトレイルでなく、やぶ漕ぎに連れ出しました。

やぶ漕ぎとは、道を外れて獣みちを歩いてみることです。
(一応インストラクターが付いていない時はやぶ漕ぎはご遠慮くださいね)

すると途端に、人の気配は薄れ、植物の世界になります。
森の姿。
(こちらはイメージで、伊奈ケ湖ではなく別の森の風景です。)

このような風景になると、突然周りの様々なものが力を帯びて見えます。
植物のことにがぜん興味が湧いてくるのですね。

植物担当の岩下さんと共に、ゆっくりと苔の森を歩き、そこにあるものの魅力を伝えて行きました。

ここからは僕が接した子ども達への個人的な感想です。

高学年のプログラムを低学年にやってみた場合。

僕が森を歩いて案内した内容は、どちらかというと高学年向け。一緒にいた大人の方が「ほほう」と興味をそそられてしまう内容です。

でも、それらの魅力が子どもたちには伝わらないかというとそうでもなく(一緒にいた高学年の子にはあまり響かなかったようでしたが)逆に小さい体で一生懸命付いて来てくれた低学年の男の子にはヒットしたようです。

その子は、こんなにたくさんの興味あるものを拾ってきました。
森の宝物。

通常、小学校低学年の子は、虫取りやクラフトに没頭することが多く、それもまた、すごく素敵なものを作るのですが

この子に、これを使って「どんなことが研究したい?」と聞いたら、これらの宝物の名前が知りたい!というので、一つ一つ調べて行きました。

ヒノキの木の実。

クルミの食べ痕。

クロモジの葉。

苔に生えたキノコ(キノコを同定する時はその生えている土ごと取ってくるという説明を聞いて自分で持ってきたのです)。

結局は相談して、自由研究はそれをスケッチして、それぞれを観察した感想を書いてもらうことになりました。

ヒノキの木の実→サッカーボールみたいに蹴れそう。

クルミの食べ痕→中身がイノシシの足跡みたい。

などなど、かなり面白い感想を書いてくれました。

この子の場合は、僕と取って来たすべての物(モミジイチゴの葉の虫こぶまで)、宝物になったようで

最後に「帰りはどうする?この中で持って帰りたいものを選ぶ?」

と聞いたら、小さい声で

「全部持って帰ることはできますか?」

と言うのでびっくりしました。
形が崩れないように、丁寧に箱詰めしました。

さて、もちろん、他の皆さんも、素晴らしいものを作っていましたよ。

採って来たキノコをそっくりに粘土で作る。裏側のヒダまで再現。
キノコを造形。

更にキノコに着色。
キノコに着色。

みんな悩む悩む…。
みんな悩む悩む。

同じように、スケッチと感想を書いてくれた子。
スケッチと感想。

甲斐けもの社中の山本さんと、中高学年の子たちはもっとレベルが高い。
山本さんと高学年。

「クマやシカなどは、図鑑を見るとその一生が紹介されているけど、イノシシの一生を紹介している図鑑はほとんどない。私はそれを作ってみたい」

という子もいました。

とにかく贅沢な自由研究の場だったなあと思います。
子ども達に刺激を与えることができたでしょうか。

今回の現場には、他にも山梨県で活躍する様々な自然関係の活動家や研究者が集まってました。
なかなか出会わない皆さんが一同に介したということで、スタッフはみんな互いに勉強させてもらいながらの貴重な時間になりました。

子ども達にどう接するか、他の指導者がどんな風に動いているのか、今回は本当に学びとなりました。

ご参加いただいた皆さん、どうもありがとうございました!

丁寧にここまで準備を進めたスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした!

そして、まったく音楽のない自然体験も、実に久しぶりでしたw

さて、次の森の歌会は

【群馬】ブナの原生林に癒されたい★8/27(土)「森の歌会~奥利根水源の森」@みなかみ高原

尾瀬にほど近いみなかみ高原です。森のシンガーソングライターが、森の歌を共にガイドを行います。ご家族で、夏休みのご旅行に森の歌会はいかがでしょうか。

証の音楽はこちらから聞いてみてください。「雨粒ノック」

雨粒ノック

【森のシンガーソングライター証(あかし)プロフィール】

森の中で、歌を聴こう。

「森と歌を繋ぐ専門家」として、日本全国の森で、森の歌ライブを展開しています。
森の景色、森の音、焚き火、ナイトウォークなど、様々な自然体験と共に、森の生き方から学ぶ人の生き方を説く「森の歌会」が好評。

クラウドファンディング「【日本初】森と音楽の専門家の大挑戦プロジェクト!失われる森を守るためキャンピングカー生活で全国をまわる!」を達成率132%で達成し、手に入れたキャンピングカー「ココニクル号」で、定住しない生活をしながら、現在日本全国の旅をしています。

本名 山田証。福井県出身。東京都多摩市本拠。シンガーソングライターとしても活動の一方、自然科学にも興味を持ち、林業、造園業、環境教育、インタープリテーションの手法を学ぶ。

2008年「エデン風景」がFM福井主催、福井ホームタウンソングコンテストでグランプリを受賞。
2010年「雨粒ノック」が、エコジャパンカップカルチャー部門エコミュージックにてCMディレクター中島信也氏による「中島賞」を受賞。
2014年 「地球ワット」が、同コンテストにてグランプリを受賞。ミュージシャンとしては初の二度の受賞を達成する。

国土緑化推進機構の機関紙「ぐりーん・もあ 2015 vol.70 夏号」にも登場。

森林インストラクター(全国森林レクリエーション協会)

森の歌会 vol.19 あの山に登ろう

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